【スポーツにおける暑熱対策】
スポーツをする選手はもちろんのこと、それをサポートするメディカルスタッフや家族も暑熱対策をしっかりと知っておきましょう。
・水分喪失による症状
・熱中症の分類
・分類別の治療
・予防などの基本的なことに関してまとめています。https://t.co/hIw4EgQpB9
— よせやん@目指せスポーツドクター (@sports_doctor93) 2018年7月31日
超重要記事。
練習前後に体重を測って体重の3%減ってたら、ホントにみんなダウンするんです。
熱中症は、体の変化に遅れてやってくる。
そして基本的に運動中の水分補給をいくらしても出て行く水分には追いつけない。以前書いた熱中症の記事、リライトしようかな。
困ってる人も多いだろうし。 https://t.co/tpCxKTZD9b— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年7月31日
練習前後の体重測定はシンプルかつ現場でできる信頼性のあるモニタリングになります。僕の契約している現場では数年前からやっています。
運動して体重が変わる=水分が増減してる
と言えるからです。ほんと嘘のようなホントの話で、3%体重が減ったら1時間後ぐらいにダウンするんです。 pic.twitter.com/5lbrDNkSpL
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年7月31日
もうすぐインターハイですね。一部はドーム内(インドア??)で行うようですが、残り2会場はアウトドアなので、選手全員と指導者の先生方含めて西川先生のツイートを見て欲しいです。
過去に自分の後輩が発汗多量から痙攣を起こして勝てる試合で棄権してしまったこともありますし…。 https://t.co/USoAttdnqt— Manabu🍳Miyamoto (@miyappu94) 2018年7月31日
ここは個人的な考えですが、
・練習前と合間に水分を取っておく
・食事はキッチリ食べるこれが必須かと思っています。
練習中はどうあがいても
「出ていく水分>吸収される水分」
の構図は変えられないので、前もって補給したり、食べることで水分補給とするのが大事ではないかと。 https://t.co/iQxYwm4ia8
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年7月31日
大前提として、練習中は
・のどが渇く前に飲む
・こまめに摂取(1度に250ml以内)を徹底する。しかしこうした対応をしたとしても、真夏の炎天下では
「出ていく水分>吸収される水分」
になるという事実。
「こまめに水分をとればOK」じゃダメなのが意外と知られてないんですよね…
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年7月31日
熱中症に関するツイートが反応がよろしいので、以前書いたこの記事をリライトしてみました。
この数ヶ月でアジアを3ヶ国遠征で回りましたが、ダントツで日本が一番暑いです。
こんな過酷な環境で競技でもしようもんなら、熱中症は必至。。!!
注意しててもなってしまうのが熱中症なので、正しい知識や気をつけるポイント、そして僕が現場で実践してることをまとめてみます。
そもそも熱中症ってどんな状態
熱中症は「体に熱がこもって起こる症状」なのですが、人間は汗をかいて熱を体外に逃す機能がそなわっています。
それが度をすぎたとき、熱中症の症状が出てしまうのですが、汗を大量にかくということは体には脱水が起きていることを意味します。
※より詳しい内容については、整形外科医のよせやんさんがすごく見やすい記事をあげられていますのでご一読を。
資料によって若干誤差はあるものの、だいたいは
- 体重の1%の水分が抜けている=軽い脱水状態
- 体重の3%の水分が抜けている=熱中症のリスク大
となります。
体重50kgの選手なら、0.5kgで1%。1.5kgで3%です。
興味深いことに、現場で選手たちを見ていても、確かに3%の脱水くらいになると1~2時間後に熱中症の症状でダウンすることが多いんですよね。
なのでこの数値は、あながち間違いでもないみたいです。
さて、脱水の状態はわかりましたが、現場ではどのようにそれを調べればいいでしょうか。
そこが問題ですね。
体重計でモニタリング
意外にも、方法はシンプルです。
練習前後で体重計で測定する、です。
そんなんでええの?って思うかもしれません。
そりゃ、きっちりミリ単位で計測しようと思えば、体重計では無理です。
でも、現場で簡単に対策するにはこれで全然問題ありません。
- 練習前に体重を測る
- 練習後に同じように測る
これで体重がどのくらい減ってるかを確認します。
脱水の指標まで体重が下がっていたら、黄色信号です。中にはこの時点で体重の4%減少という赤信号もいます…
ここで注意なのは、測定して体重が減っていた時はまだ何も症状が出てない場合が多いってことです。
症状は遅れてくるので、この時は体重が減ってるけどまだ大丈夫だろ!とか思ってたらあとあと苦しむことになるってことですね。
では、具体的にどんな対策を取ればいいのか。
というか水分補給なんですが、どのように気をつければいいか。
ちょっと詳しく書きますね。
水分補給のポイント
- 喉が乾く前に補給する
- 一度でガブガブ飲まない→少量をこまめに
- 食べ物も水分補給。しっかり食べる
- 出て行く量に補給する量は勝てない。運動前後に水分補給
1.喉が乾く前に補給する
「喉が乾く」というのは、先に書いた体重1%の脱水で起こる症状と言われます。
喉が乾いてる時点で、もう脱水は始まってるんですね。なので原則として、喉が乾く前に補給しましょう。
2.一度でガブガブ飲まない→少量をこまめに
聞いたことがあるかもしれませんが、一度の水分補給で吸収できるのは250mmlくらいなので、例えば500mmlのペットボトルを一気飲みしても、半分しか吸収されないということになります。
少量をこまめに取るようにしましょう。
3.食べ物も水分補給。しっかり食べる
この次で詳しく書きますが、脱水を防ぐのには水分補給だけでは現実的ではありません。
出て行く水分が多すぎて、いくら飲んでも追いつかないからです。
そこで、しっかり食べることをお勧めします。スープとかは90%が水分、ピザでも50%は水分と言われます。
食べることも立派な水分補給です。
暑いと食欲がなくなる選手も多いと思いますが、何か食べておきましょう。
うどんとか冷やし中華とかは水分多めで脂質も少なく糖質多いのでオススメですね。
4.出て行く量に補給する量は勝てない。運動前後に水分補給
僕が今日一番伝えたいところです。
いくらこまめに水分を取っていても、喉が乾く前に飲んでいても、基本的に夏場は出て行く水分の量に追いつくことはできません。
体重を実際に測るとわかるはず。飲んでも飲んでも、体重は減っていきます。
これは仕方ないことなので、喉が乾く前に少量をこまめにというのは大前提で、もう一工夫する必要があります。
それは、運動前と合間に、あらかじめ水分補給をしておくことです。
朝から練習するならその前に、一日練習するならお昼休みに。
練習前や合間の時間を使って、出て行ったぶんの水分を補います。
ここでさっき書いたように、水分だけでその差を埋めることは難しいので、朝ごはんや昼ごはんはしっかり食べましょうというのはそういうことです。
実際、ダウンした選手にあとで聞いてみたら、ご飯を食べてなかったというケースは珍しくありません。
測定のポイント
体重を測る上で、気をつけることがあります。
以下のことです。
- 荷物は持たない
- 靴は脱ぐ
- 練習後の測定は、上の服を着替えてから
最初は大変でした。
暑さで体重計は壊れるわ、ジュニアは水筒持ったまま体重測るわ、ウェア着替えずに汗だくのウェアのまま体重測るわで、まともな数値が取れなかったんです笑
どんな理想論だって、どうせ現場でやると試行錯誤するものです。だから早く始めるに越したことはないんです。
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年7月31日
ジュニアが測るとき、なんでかラケットとか水筒とかを持ったまま測る子がいます。なんでやねん笑
靴を脱いだり、服を着替えてから測るのは衣類が汗を吸い込むからですね。
汗を吸った状態の服をきて体重を測っても意味がないので…
余談ですが、僕のサポートしてるプロ選手が中国に遠征しに行ったとき、
試合の途中で靴下を履き替えるくらい汗が出てきて、終盤になると靴まで履き替えなきゃいけなかったとか…
まあ、ここまでなるのは稀でしょうが、耳が痛い方は裸足で測定してはいかがでしょうかw
熱中症対策は、他にも色々と語ることはあります…が、機を見てまた書き足していきますね。
では。
追伸:スポーツを仕事にしたい理学療法士の方へ
- 自身の現状(勤務状況やスポーツとの関わり)、今後の目標を話していただけること
- 配布動画を全て見て、その後感想などの連絡をしていただけること
- スポーツ分野を仕事にしたいという強い気持ちがあること