コーチとトレーナーは似て非なる職業。
トレーナーはコーチにはなれない。
コーチもトレーナーにはなれない。どちらも、極めるにはあまりに深い仕事。
トレーナーとして仕事してるのにコーチングをしたくなっちゃう人も多いから注意しないとね。
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年8月2日
私も一時期このことについて悩んだ時がありました。
トレーナーの域を超えて戦術の指導したり、ポジショニングの指導してしまいがちですが、それはトレーナーの役割ではありません。
医療も同じでそれぞれの職種には役割があり、役割を果たすことでチームとして成り立つと思います。 https://t.co/yhLlD6GB4M— 前 亮佑 @ サッカー✕理学療法士 (@ryosuke_mae511p) 2018年10月30日
どっちもやれば良いじゃんとか西川くんならコーチできるよとか言われることもあるけど、コーチと一緒に仕事してるととてもそうは考えられない。ものすごいよコーチって職は。
だから中途半端にかじるくらいなら身体のことを探求し続けたい。
これが僕の仕事論。
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年8月2日
育成に関わるコーチは「心技体知すべてをみる仕事」と思っていましたが、そんな程度ではないんですよね。
選手のスケジュール、長期的な方針(ピリオダイゼーション)、スポンサー企業との交渉などなど、まさに『総合職』です。
やっぱり、トレーナーにコーチはできないと思う。でも、理解は必須。
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年8月3日
「トレーナーはコーチにはなれない」
「コーチもトレーナーにはなれない」
というのは僕がこの仕事をやっていてずーっと変わらない仕事論です。
ツイートの通り、この話題は定期的につぶやいているのですが、その度に「どっちもできた方がいいじゃん!!」っていう意見をもらうんですよね。
確かに一見、トレーナー兼コーチ(逆でもいいけど)というのは一見なんでもできて素晴らしい!!と思うかもしれませんが、現実は中途半端になっちゃうのがオチなんですよね。
例えば、選手の育成に関わるコーチの仕事の場合。
その仕事内容は多岐に渡ります。
- 技術指導
- フィジカル、トレーニング指導
- メンタル面
- 戦術、戦略
- 育成の方針、スケジュール
- 試合に向けてのピリオダイゼーション
- 活動資金の確保、スポンサー企業との交渉
- 選手のマネジメント
などなど、「心技体知」どころじゃないんですよね。
ある人が「コーチとは総合職」という言葉を言われていたのですがまさにその通りで、僕も一緒に仕事させていただいているコーチはみなさん本当にすごい人ばかりです。
一緒に仕事するたび、「あ〜自分にコーチは無理やな」って思います。
そしてそれと同じく、「コーチもトレーナーにはなれない」んですよね。
フィジカル、メディカルの部分って、そもそも選手一人一人違った構造や特徴を持っているので、自身の経験則だけじゃ仕事はできないんですし。
例えば一般論のバイオメカニクスを学んだとしても、一人一人骨格構造から可動域から筋力から神経系から全てが違うわけですからね…
なんとなくトレーニングとかはできたとしても、それこそフィジカル面でのピリオダイゼーションを実践したり、あるいは治療をするとなると、全く違う分野(解剖生理学や運動学などなど)の知識技術が必要になります。
でも共通理解は必須
しかしながら、僕らは選手を中心として一緒に仕事をするので、共通理解も必要です。
特にそのスポーツの特性、業界の流れ、動作については当然同じ言葉で話せるようにトレーナーは努力すべきで、
「トレーナーだから体のことだけ知ってりゃええわ」とか
「コーチだから体のことは知らね」とかはよくないということですね。
図解するとこんな感じです↓
お互い育成に関わる人間として、共通の知識や理解はもちながら、それぞれの専門についてはより深く。
それでいて、お互いの専門分野にはディスカッションはしても勝手にオーバーラップしないこと。
特に競技スポーツの育成となると、この考え方は必須と考えます。
あと意外?かもしれませんが、海外はかなり分業されていてスポーツ育成に力を入れてるアカデミーなんかは、コーチがトレーナーやったりトレーナーがコーチやったりなんてことは見たことありません。
その本質は、ここにあると思うんですよね↓
トレーナーはコーチにはなれない。
同時にコーチもトレーナーにはなれない。
似ているようで違う職種。一方、海外ではスタッフのことをCrew(クルー)と表現することがよくある。
コーチ職の強いクルー
トレーナー職の強いクルー違う職種なんだけど、お互いを尊重して仕事してるのがよくわかる。
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年10月30日
なのでやっぱり結論、僕は「トレーナーはコーチになれない、逆もしかり。でも共通理解を持って進めよう」と思います。
では。
追記:本音を言えば
追記:2019年8月現在
僕が本当に有益な情報だと思うことや、SNS・このブログなどで言えない本音などは今後、noteの定期マガジンで書くことにしました。
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