「トレーナーはコーチにはなれない」

「コーチもトレーナーにはなれない」

というのは僕がこの仕事をやっていてずーっと変わらない仕事論です。

ツイートの通り、この話題は定期的につぶやいているのですが、その度に「どっちもできた方がいいじゃん!!」っていう意見をもらうんですよね。

確かに一見、トレーナー兼コーチ(逆でもいいけど)というのは一見なんでもできて素晴らしい!!と思うかもしれませんが、現実は中途半端になっちゃうのがオチなんですよね。

 

例えば、選手の育成に関わるコーチの仕事の場合。

その仕事内容は多岐に渡ります。

  • 技術指導
  • フィジカル、トレーニング指導
  • メンタル面
  • 戦術、戦略
  • 育成の方針、スケジュール
  • 試合に向けてのピリオダイゼーション
  • 活動資金の確保、スポンサー企業との交渉
  • 選手のマネジメント

などなど、「心技体知」どころじゃないんですよね。

ある人が「コーチとは総合職」という言葉を言われていたのですがまさにその通りで、僕も一緒に仕事させていただいているコーチはみなさん本当にすごい人ばかりです。

一緒に仕事するたび、「あ〜自分にコーチは無理やな」って思います。

 

そしてそれと同じく、「コーチもトレーナーにはなれない」んですよね。

フィジカル、メディカルの部分って、そもそも選手一人一人違った構造や特徴を持っているので、自身の経験則だけじゃ仕事はできないんですし。

例えば一般論のバイオメカニクスを学んだとしても、一人一人骨格構造から可動域から筋力から神経系から全てが違うわけですからね…

なんとなくトレーニングとかはできたとしても、それこそフィジカル面でのピリオダイゼーションを実践したり、あるいは治療をするとなると、全く違う分野(解剖生理学や運動学などなど)の知識技術が必要になります。

でも共通理解は必須

しかしながら、僕らは選手を中心として一緒に仕事をするので、共通理解も必要です。

特にそのスポーツの特性、業界の流れ、動作については当然同じ言葉で話せるようにトレーナーは努力すべきで、

「トレーナーだから体のことだけ知ってりゃええわ」とか

「コーチだから体のことは知らね」とかはよくないということですね。

図解するとこんな感じです↓

お互い育成に関わる人間として、共通の知識や理解はもちながら、それぞれの専門についてはより深く。

それでいて、お互いの専門分野にはディスカッションはしても勝手にオーバーラップしないこと。

特に競技スポーツの育成となると、この考え方は必須と考えます。

 

あと意外?かもしれませんが、海外はかなり分業されていてスポーツ育成に力を入れてるアカデミーなんかは、コーチがトレーナーやったりトレーナーがコーチやったりなんてことは見たことありません

その本質は、ここにあると思うんですよね↓


なのでやっぱり結論、僕は「トレーナーはコーチになれない、逆もしかり。でも共通理解を持って進めよう」と思います。

では。

追記:本音を言えば

追記:2019年8月現在

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