これから香港経由でネパールへ行ってきます🇳🇵ロングフライトを挟みますが、現地でも海外遠征のあれこれを出来る範囲で発信していきますね^_^
しばし、日本からお別れです。 pic.twitter.com/hOvnccPZBP— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年2月1日
無事、最終目的地ポカラに着いた。
ホテルに着いたのは昼下がりだったけど、そのまま会場入りして入念にアップして練習へ。海外遠征とくにロングフライトの場合激しく体が鈍ってるので、現地入りした日は多少疲れてても会場で体を動かして重さを取ることが先決だったりします。 pic.twitter.com/NZTanNJMFw
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年2月2日
エベレスト山を望むことができるテニスコートは、世界でもそう多くはないと思う🤣
空気はキレイで、春の陽気、乾季でアジア特有の湿気も全くない。ネパール、ポカラはかなり良い場所だと個人的に思う。 pic.twitter.com/CBI5VUhPBq
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年2月3日
今回の🇳🇵遠征では、食事の面で気をつけていることがかなり多いです。
去年参加した日本選手が全員お腹壊したらしいので、安全第一かつ栄養も考えて、というのが骨の折れる作業です。事前にどんな情報を仕入れて、現地で何を気をつけてどうしてるのか、落ち着いたらブログにまとめようと思います。
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年2月3日
テニスの国際試合、ITF juniorの遠征でネパールに来ています。
海外遠征の記事はその都度アップしていて、いつも色んな方からgood responseをいただいているのですが、その中で「海外遠征中の食事ってどうしてるんですか?」という質問を多くいただきます。
これはとても重要な問題で、遠征中のパフォーマンスを決定つける一つの要素です。
なので今日は、実際にリアルタイムで来ているネパール遠征から、どんなことに気をつけて実際にどうトライしているか書いていきたいと思います。
日本人選手の胃腸事情
前提として、海外遠征の食事で優先すべきことは
「1に安全、2に栄養」です。
日本に住んでいると感じにくいかもしれませんが、日本の食事や水はとてもキレイで、生の魚を美味しく食べられるなんて他の国では考えられません(最近は寿司ブームで、海外でも外資系の寿司屋はありますが)。
裏を返すと、日本のキレイすぎる食べ物に慣れてしまってる日本人は、ひとたび海外に出るとお腹を壊す確率が超高くなります。「日本人の胃腸は世界一弱い」と言われてますが、こうした背景があるんですね。
なので海外遠征に行くとき、特に初めての土地で初めての食べ物を食べて過ごす遠征の場合、食事や飲み物の衛生面はあらかじめ入念にリサーチします。そして、衛生面の安全を確保した上で、栄養面も考えて食事をすることになります。
余談ですが、トッププロは海外遠征の時に自分のチームにシェフも帯同させるのが普通。
これは自分の口にあった食事というのもそうですが、どちらかというと衛生面や栄養面で安心して食事ができるからという理由なんですね。
ネパールは日本人の胃腸にとって試練の国
さて、出発前にリサーチして出てきた情報をまとめると。。
- 去年のトーナメントに出場した日本人選手は、全員お腹壊して病院送りになった
- どうも、水が危ない。ミネラルウォーター以外は口にしてはいけない(ホテルのウォーターサーバーも危ない)
- フレッシュフルーツ系は高確率でお腹壊す。カットフルーツや、しぼりたてジュースは危険
- 食材そのものよりも、ローカルレストランの厨房はかなり汚く、これでお腹を壊すケースもあり
というデンジャラスっぷり笑
今まで色んな国にいきましたが、ここまで日本人の胃腸にとってデンジャラスな遠征ははじめてです。
ちなみに、実際に会場に出ている売店?レストラン?の厨房はこんな感じでした↓
まあ、お世辞にもキレイとは言えないですね。。
こうした情報があったので、チームとの話し合いで、今回は「セーフティファースト」、つまりお金よりも安全を第一に考えよう、体のコンディションを優先しようというコンセプトで臨むことにしました。
※今回は前情報でシビアだと判断しましたが、普段の海外遠征はできるだけ、現地でローカルフードを食べることを意識します。特にジュニアの場合、国際感覚を身につける一環としても、現地のものを食べるのは大事なことだからです。
出発前の準備
セーフティファーストを掲げて臨む今回の遠征なので、今までにないくらい衛生面の管理を徹底するよう準備しました。
具体的に、選手やその保護者と共有したことは、
- 食事は、日本からパスタやうどんなどを持参して、数日間は自炊して過ごす。その間に僕が現地のレストランを毒味しにいき、選手が食べても大丈夫なレストランが見つかったらそこも利用する(厨房ももちろん確認する)
- 現地で加工されたフルーツは食べない。ホテルのオレンジジュースやカットフルーツは我慢。フルーツを食べたい時は、丸ごと買ったものを持って来た包丁を使って切って食べる
- 口にする可能性がある水は、全てミネラルウォーターを使う。飲み水、歯磨き、自炊した食器を洗う水も全てミネラルウォーターで。歯磨きとかはコップを使うけど、そのコップも持参して自分で洗って使う。その洗う水も、もちろんミネラルウォーターで
こんな感じです。正直やりすぎかなとも思いますが、情報が全くないorデンジャラスな情報の遠征は、やりすぎくらいがちょうど良かったりします。一番避けないといけないのは、「時間もお金もかけて現地に行ったのに、体調壊して試合にならなかった」という事態なので。ベストパフォーマンスのために、やれることは全てやるという感じです。
※これも余談ですが、「海外でカットフルーツを食べてはいけない」は結構常識だったりします。どんな厨房で、どんな包丁を使ってるかわからないので、それでお腹壊す選手も珍しくないからですね。
特に海外遠征では、「カットフルーツ」でお腹を壊す選手が少なくないです。
理由は、どんな包丁で切ってるかわからないから。
しかし、選手にフルーツは必須アイテムだと思うので、遠征期間が長いならフルーツ食べるときは、現地で包丁を買ってフルーツも丸ごと買って自分で切っって食べるのがベター
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年7月29日
あと、これも余談ですが、味噌汁は必ず遠征に持参するように伝えています。味噌汁の殺菌効果は凄まじく、胃腸が壊れるのを整えてくれる最強アイテムだからです。もちろん、今回も持参しています。
いざ、ネパール遠征へ
ネパールは朝8時🇳🇵みなさんナマステ。
ニワトリの鳴き声と朝日に起こされて、ホテルの屋上に来てみました。ここはヒマラヤ山脈に登山しに行く人たちが滞在するレイクサイドの観光地。
湖と、山の向こうにエベレストが見える。 pic.twitter.com/TmUUL7aASN
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年2月3日
テニスコートのサーフェスはいくつかあって、欧州で有名な赤土のコートはレンガを削って作られる。ネパールも地理的に比較的ヨーロッパに近いからか、赤土コートがたくさんある。とはいえ、コートを作るために削ったであろうレンガがコートの隣に積まれてる光景は初めて見た😂 pic.twitter.com/LwPnel1aKg
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年2月2日
無事、ロングフライトを経てネパールに到着しました。
聞いてたよりも空気が澄んでて、人も穏やかでいい所。。むしろ、気温も日本でいう春の陽気だし、標高が高いためかアジア特有の湿気も全くないし、乾季でいつも晴れててエベレストがめっちゃ美しいし、かなり快適な環境です。
快適すぎて食事のことを油断してしまうそうになるくらいw
しかし、気を取り直して当初の予定通りにいきます。
↑ホテルの部屋です。シングルルームを手配したのに、ベッドが二つあるw
けどネパールのホテルとしてはかなり綺麗ですし、値段も手配した時の金額と同じ(朝食つきで一泊3000円くらい)。
ちなみにホテルは、「朝食が安全そうな場所」を基準で選びました笑
後述しますが、このホテル、大当たりだったんですよ。朝食もめっちゃ美味しく安全でした。
現地入りした初日は、予定通り部屋で自炊します。
海外でも使えるヒーターをはじめ、自炊に必要なものは持って来ていたので、それを使って調理します。
そして予定通り、ミネラルウォーターで洗いますw
この日はパスタを作りました。
散策がてら入ったレストランが大当たり
選手の食事が終わり、今度は僕が毒味がてら外のレストランへ食事しにいきます。
僕のイメージとしては、レストランや厨房がキレイで、きちんと火の通っている料理があるのがベストだったので、そのイメージで散策してみたのですが。
ホテルを出て数分で、なんか良い(今風に言うと「エモい」)レストランを見つけます。
ローカルレストランとは一線を画している佇まい。おそらく、外国人観光客向けのレストランなんでしょう。
店先にメニューがあったので見てみると、料理のバリエーションは多いし、値段も比較的リーズナブル(一食500~600円くらい。ネパールの物価的には激高ですが笑)だったので入ってみることに。
店内もめちゃキレイです。
後々利用することも考えて、栄養的に良さそうなメニューがあるかどうか調べて見ました。
自炊は安全なのは良いのですが、どうしても炭水化物が多くなってしまい、タンパク質や野菜が不足してしまいます。
特に今回は野菜を摂りたくても、生野菜はリスキーなのでどうしようかな…と思いながらメニューを見てみると、リストに「バターベジタブル」が。
メインの料理はチキンカレーがあったので、これらをオーダー。
チキンカレーと単品のベジタブルのバター炒め(約600円)
控えめに言ってめっちゃ美味しかったです。
日本のレストランよりもクオリティ高いくらい(日本で食べたら3000円くらいするであろう)。
野菜もバターで炒めていてちゃんと火が通ってるし、肉料理もあったのでタンパク質も取れてこれはかなり良いな…!と思っていたところ、このレストランの店主に話しかけられる。
「日本の方ですか?」
「えっ」
日本に長く住んだシェフのこだわりレストラン
聞けばこの店主、というかオーナー、東京に10年以上住んでいたとのこと。
もちろん遊んでた訳ではなく、とあるレストランに長年勤めていた、と。
彼は当時、日本の料理のクオリティの高さに衝撃を受けて、「このレベルをネパールで再現したい」との想いを持ち帰ってレストランを開いたのだとか。
ちなみに、隣の席で食事をしていたネパール人女性も日本語が堪能で、聞くとこの店主のお兄さんの奥さんだそう。
埼玉に住んでいて、今はこちらに帰って来ているのだとか。
話を戻し、この店主とトークをする中で僕らの事情を話すと、
「じゃあ、うちの厨房を見て欲しい!」
とのこと。
連れられるまま見てみると、、、
めっちゃキレイな厨房。店主曰く、「素材を活かした料理を日本で学んだから、それを再現しようとトライしてる。厨房をキレイにして、食器は全部熱湯殺菌、野菜を洗う水も全部キレイな水で洗ってる」とのこと。
↑野菜を洗うための水。消毒された水のみを使ってるらしい。
海外に行くと、よく「俺はこだわって仕事してるんだ!!」と言うタイプの外国人に出会います。大抵テキトーなんですが(笑)
けど、このレストランは少し毛並みが違うというか、本気でこだわってされてるのがよく伝わってきました。
↑オーナー(店主)との写真
海外遠征は、人によっては「旅」と表現する方もいますが、「旅先」でこうした出会いがあると、とてもほっこりします。
ところで、帰り際にホテルに帰ろうとすると、オーナーが僕が持っていたホテルの鍵を見て、
「あれ、このホテル、僕がやってるところだよ?」
と。
これも本当に偶然だったのですが、僕らが止まっているホテルも、このオーナーが経営されているとのことでした。
オーナーさん、えらい手広くやってまんなぁ…
ここの朝食がとても美味しく、またキッチンもキレイで安心して使えてたのですが、同じ系列のお店だったと知って納得しました。
なんだかレストランの宣伝みたいになっちゃいましたが(笑)、翌日選手にこのことを伝え、基本食事はこのレストランで取ることにしました。
↑翌日に食べたグリルチキン。これも600円ほど。美味しすぎた。。
自炊するより効率よく、しかも安全に安く栄養を摂取できるので、ヘビーユーザー(というかほぼ毎日来てる)になっています笑
遠征中は衛生面をベースとして、栄養面も考慮
こんな感じで、事前準備から現地での食事を紹介してきました。
重要なのは、まず衛生面を徹底すること。そして次に栄養バランスを考えること。
(と言っても、僕は栄養のスペシャリストではありませんし、ここはもっと知識を深めたいと思っています)
今回は運よく最高の出会いに恵まれましたが、海外遠征ではとにかく日本の常識があらゆる方向で通じません。
時に楽しく、時に超シビアな海外で、競技をする以前に考えることがたくさんあるのですが、その中でもベストなパフォーマンスのためにできることを全てやる、その気持ちがまずは大切なのではないかと思っています。
ネパールの海外遠征もまだまだ続きですから、他の方面からも発信していければと思っていますそれでは、また次回お楽しみに!