マレーシアのクアラルンプールに来ています。
KLは一度来てみたかった街で、実際来てみると都会あり自然あり、日系のお店もたくさんあり、日本人にとってかなり快適に暮らせる街なのだなと実感しました。
無論、ほぼなんのストレスもなく快適に過ごしています。
で、そんなことはどうでもよくて。
昨日、このKLを拠点の一つにされているそもんずさんとお会いして、お話させていただきました。
そもんずさんは、普段海外を飛び回りながらIT系など様々な実業をなさっている方なのですが、偶然にもテニスがお好きだったことと、ちょうどKLに滞在しておられたこともあり、テニスやスポーツ界のお話をさせてもらいました。
(諸事情で写真は撮ってませんが…)
その中で、駆け出しのスポーツ選手やアーティストなど、「遠征費用・活動資金を自分で負担するのが大変な人」たちにとって有益なお話ができたので、可能な範囲でシェアしたいと思います。
駆け出しスポーツ選手やアーティストの現状
個人で負担できないほどの、莫大な活動費
僕の専門となるので、テニスの話で例えますね。
テニスの場合、TVで錦織圭選手が戦っているような大きな大会に出場するには、世界中で行われている試合を年間通して転戦しなければいけません。
その費用は、選手一人につき約800~1000万が相場と言われます。
↑レベルの高い試合になるほど、欧米圏の試合が増えてきます。アジアの島国に位置する日本だと、渡航費がかなりかさんでしまう。
個人で転戦するのに800~1000万ですが、当然レベルアップするにはツアーにコーチやトレーナーなどのスタッフに帯同してもらう必要も出てきます。
それらの費用も考えると、最低1500万ぐらいにはなるのですが…まあ、ぶっちゃけ個人では負担できないですよね。
なので、これまで多くの場合、選手本人やコーチ(あるいは仲介するマネジメント会社)が営業をかけ、スポンサーを募るという形がほとんどでした。
テニスの場合は、チームのコーチや所属するマネジメント会社が、企業に対しスポンサー営業をかけることがほとんどです。
選手が直接営業するパターンもありますが、これはスポーツによりけりのようです。テニスの場合は稀ですが、例えばF1とかだと、選手本人が地元企業に営業をかけ、数億円の資金を集めているケースもありました。(F1は数億集めないと活動できない厳しい世界)
いづれにしても、駆け出しの個人スポーツ選手は、収入のほとんどがスポンサーからの資金に依存しているのが現状です。
スポンサー収入や賞金に依存せず、個人でも稼ぐ時代
今はインフルエンサービジネスに代表されるように、「個人の時代」と呼ばれたりしています。
- インスタグラマーの紹介した商品を買う。企業はお金を払い、インフルエンサーに広告を出す。
- フォロワーの多いツイッタラーのサロンに入る。
- youtubeの動画を見ることで、投稿者に広告収入が入る
- showroomのライブ配信者に投げ銭する
たった一人の個人が中小企業の年商を超えるほどの収益をあげることもあり、「個人で稼ぐ」ためのプラットフォームが充実しているのが今の時代です。
で、今回そもんずさんとお話したのが、駆け出しのスポーツ選手こそ「個人の時代」を存分に活用して、自分で自分の活動費を稼いでいくべきだな、ということでした。
スポーツ選手が賞金やスポンサー収入だけでなく、遠征費用を自分で稼げるようにしたいな。@physio_tennis さんとお会いして、スポーツ選手こそ、@kskgroup2017 さんのように、幅広い視野で、個人の発信力を高めるべきだな、と実感。
スポーツ選手限定の #ミニ・エジソン勉強会 をやってみたい!
— そもんず (@somonsism) 2019年6月4日
僕も強くそう思いますし、遅かれ早かれこれがスポーツ界でもスタンダートとなっていくだろうと感じています。
蛇足かもしれませんが、近年あらゆるスポーツでスポンサー獲得が難しくなってきていると聞きます。
特にチームやマネジメント会社が営業をかけるパターンだと、これまでは企業側も先方のメンツや、古い付き合いでお金を出してくれることもありました。が、正直スポンサー企業側からすると、選手本人にはっきりした広告効果が見えないことが多いので、十分な額を出してくれることが難しくなっている。
そんな現状のようで。
一方で選手本人が営業したり、企業側が選手自身を気に入った場合の方が、スポンサーを獲得しやすい。
これは企業側からすると、ソーシャルに対する価値(広告効果)が高いとはっきりしている選手にお金を出したい、という意思の現れともいえるでしょう。
ネット上で価値を発信し、真っ当な方法でファンを獲得していくのは、駆け出しのスポーツ選手やアーティストにとって必須とも言えると思います。
スポーツ選手やアーティストは、生き方そのものがコンテンツの宝庫
僕も普段アスリートと接していて、「本当にすごい経験をしてきているな」といつも感じます。
全く知らない土地で、違う文化や言葉・人種の人たちと生き残りをかけて戦うのは並大抵のことではありません。
多くのアスリートは、その過程を通して人間的な魅力を磨かれていますし、実際人間として達観している方が多い。
僕は、それ自体が発信するべき価値のあるコンテンツだと思っています。
研究者、スポーツ選手、アーティスト。
研究力はすでに高い方々なので、インフルエンサー力と起業力を付け加えたら、爆発するタイプが多そう。
次の #ミニ・エジソン勉強会 は、この3つのカテゴリーの方々に対して、提供してみたいな。
— そもんず (@somonsism) 2019年6月4日
やっぱり試合とその背景にあるストーリーが一番、最高のコンテンツだろうな、と思っています。
試合にかける背景をストーリー化したり、自分の試合を振り返りながら頭の中を語っていくとか。
将棋でいうところの感想戦を相手とやったら、もっと面白いはず。
— そもんず (@somonsism) 2019年6月4日
それはかなり有益ですね。
既存のコンテンツは試合だけというのが多いですから、選手の背景や境遇を織り交ぜて発信できればヒューマンストーリーとして最高ですね。
これこそスポーツに心ふさぶられる所というか、本質のような気がします。取材自体は難しくないので、編集技術がモノを言いそうです😅
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年6月4日
感動を届けられるのがスポーツの本質ですし、選手個人が取り組む姿(背景)やそのストーリーを発信することで、多くの人に多くの価値を提供できる。その可能性を秘めてると確信してます。
↑これからの選手やアーティストに求められるだろう形。
一方で、まだ課題も多い
向かう先としては間違いないものの、まだ現状では課題が多いのも事実です。
実際、「個人で稼ぐ」ために必要なプラットフォームは十分なほどに用意されており、かつ感度の高いスポーツ選手やアーティストはそれらを利用し始めています。
しかし、駆け出しであるほど十分な資金を稼ぐことができていないのが現状のようです。
valuとかクラウドファンディングの仕組みで選手の負担軽くできないのかな。
中国は期待選手のバックアップを国でするらしいです。ソースはベイビーステップ。 https://t.co/JetNDzSp4X
— わたぱぱ#求職中 (@awhitecryptodog) 2019年6月4日
スポーツ選手向けのクラウドファンディングの仕組みはすでにあるのですが、正直、うまく機能していないんですよね。
発信者自身のプロデュース能力がまだ弱いというのが理由かな、と思っています。
もちろん超強ければ、スポンサーなどはいくらでもつくのですが。 https://t.co/ppftPlQGlL
— そもんず (@somonsism) 2019年6月4日
クラファンなどの手段を、選手本人や周囲が上手くネタマイズできるかが鍵になりますね。現状はまだこの段階まで来ていない感じかと。
提供できる価値を磨いて、発信することがファーストステップですね。 https://t.co/goYydt12LJ
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年6月4日
選手やアーティストの多くは、常に移動し一箇所に止まっていなかったり、スケジュールが流動的だったりするので、オフ会やリアルの場でレッスンを開くことが難しかったりします。
なので、価値を発信しファンを獲得する方法は主にネット上になるだろうと思うのですが、スポーツの第一線で活躍する方ほど、こうしたネットを活用したネタマイズが苦手だったりします。また僕も含め、指導者やスタッフ側も疎いことが多いです。
ただ、これらは才能ではなくスキルなので、そちらに精通している方のサポートがあれば、自身の努力でいくらでも磨くことは可能です。
これからのスポーツ選手やアーティストは、今すでに持っている価値をネット上でどう表現し提供するかを学ぶ必要がありそうですね。
最後に
今回お話したそもんずさんは、そちらの方面に精通されている方だったので、具体的なネタマイズの鱗片を聞いてとても勉強になりました。
僕自身ネットでの発信やブランディングは日々勉強中ですが、自分の経験から思う自然なやり方は、真っ当なファンビジネスを学び、発信力をつけ、試行錯誤してネタマイズをすることだと思っています。
最後に、ツイッターでそもんずさんとやりとりしていた一部を引用します。何かの参考になれば。
移動しながら、スポーツマネジメントやスポーツビジネスについて、3冊ほど、本を読みましたが、テニス業界はやや特殊ですが、やりようはありそうです。
ストーリー作りと感動・面白さの要素を出せれば、誰かに刺さる有益なコンテンツを作りこまなくても、いけそうな気がします。
— そもんず (@somonsism) 2019年6月4日
エンタメ路線の方がやりやすい、ということですかね?🤔
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年6月4日
役に立つ路線のほうが早いのですが、人を選ぶこととテニス選手30人くらいならできると思いますが、100人になるとコンテンツがどうしても似てきてしまうな、と思っています。
— そもんず (@somonsism) 2019年6月4日
確かに、コンテンツ系は選手のタイプによって合う合わないがハッキリ分かれそうです。
なんというか、選手が多いほど、それぞれのキャラそのものがエンタメになれそうな感じがありますね👀— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年6月4日
やっぱり試合とその背景にあるストーリーが一番、最高のコンテンツだろうな、と思っています。
試合にかける背景をストーリー化したり、自分の試合を振り返りながら頭の中を語っていくとか。
将棋でいうところの感想戦を相手とやったら、もっと面白いはず。
— そもんず (@somonsism) 2019年6月4日
それはかなり有益ですね。
既存のコンテンツは試合だけというのが多いですから、選手の背景や境遇を織り交ぜて発信できればヒューマンストーリーとして最高ですね。
これこそスポーツに心ふさぶられる所というか、本質のような気がします。取材自体は難しくないので、編集技術がモノを言いそうです😅
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年6月4日
ライブ配信にして、コメントも受け付けながらやれば、ファンの方と一緒に盛り上がれますよ。
配信後は、要約版をYoutubeに流し、全部の配信は有料にする。
そもんずの考えるテニスのマネタイズ第1弾はこれですね。
アイデアは、あと100個ぐらいは出そうな気はしますw
— そもんず (@somonsism) 2019年6月4日
やっぱり、選手には #ミニ・エジソン勉強会 が必要みたいですw
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年6月4日
色々な業界の人を巻き込んで、やりたいですね。テニス界からは、2人から3人くらい入って頂けたら、嬉しいな。
— そもんず (@somonsism) 2019年6月4日
彼はこの先、スポーツ選手が自分の力で価値を提供し、ファンを獲得できるような勉強会をやっていきたいとのことです。
僕も、何かの形で選手の「自給自足」をサポートできればなぁ。
興味ある方は、そもんずさんのツイッターフォローをオススメします。
ほなまた。
追伸:『選手の体を学ぶテキスト』350部突破!!
【選手の体を学ぶテキスト】
トレーナーやPTのような専門家から、
指導者様、各スタッフ、保護者、選手までが
『スポーツ選手の体』について学び共有できるコンテンツを作りました。トータル約10時間分のボリュームです。
随時追加していくので、お得な内にどうぞ!!https://t.co/gDDjw70CdK
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2018年10月24日
トレーナー、PTなどの専門家から、指導者監督、保護者、選手本人すべての方が共有できるテキストが完成しました。
おかげさまで、350部を突破!!
150部を機に値上げさせていただきましたが、申し込みのペースは全く落ちる気配がありません…
今はまだ飲みに行くくらいの金額ですから、西川に居酒屋でおごったと思ってポチってくださいませ。
追伸2:スポーツを仕事にしたい理学療法士の方へ
- 自身の現状(勤務状況やスポーツとの関わり)、今後の目標を話していただけること
- 配布動画を全て見て、その後感想などの連絡をしていただけること
- スポーツ分野を仕事にしたいという強い気持ちがあること
追伸3:「僕がスポーツで独立するまでにやってきたこと全て」をテキスト化しました!
5年前、僕がスポーツで独立するまでに、取り組んできた全てのことをまとめました。
巷には出回っていないリアルな実話なので、これからスポーツを仕事にしたい(独立したい)人にとっては役に立つと自負しています!
23歳PT スポーツで独立するまでにやってきたことすべてhttps://t.co/nS2FmcwkBc
— 西川 匠 (@physio_tennis) 2019年3月7日
このコンテンツは、理学療法士で当時23歳だった僕が、スポーツで独立するまでにやってきた全てのことを書いたテキストです。
総数20000文字、かなりのボリュームですが、巷には出回っていないリアルな実話なので、これからスポーツを仕事にしたい(独立したい)人にとっては役に立つと自負しています。