ツイッターでトレーニングの動画と解説をしているのですが、フォロワーさんから質問をいただいたので回答しようと思います。 PTその他体の専門家の方はもちろんご存知でしょうし、普段意識もされているとは思いますが、SNSなどではこれから専門家を目指す方もいるのでシェアしていただけると幸いです。

前捻角とは何か?

大腿骨に対する大腿骨頭の角度の一つです。言葉にするとややこしいので図解しますw ↑この下の図が前捻角を表しています。 これは大腿骨を真上から見た図ですが、通常では膝をまっすぐ前に向けた時、ちょっと大転子が大腿骨頭に対して後ろになります。 このちょっとというのが個人差がありますが、大腿10~25°くらいと言われます。   しかし中には、体の成長に伴って前捻角が正常より多く(あるいは少なく)骨が発達するケースがあります。 上から見るとこんな感じ↑です。 図の左は正常で、右は前捻角が大きくなってしまったケース。

成長の過程でこのような違いが出てしまうんですが、こうなると足の向きはまっすぐでも、股関節の中は外旋位になってしまってるので、本人としては窮屈な感じなんですね。

言い換えると、股関節は外旋位なんだけど足の向き自体はまっすぐなので、端から見てるとわからないとも言えます。

そしてこのような例の場合、股関節の位置を中間位にすると少し内旋位(内股に見える)になります。

パッと見ると「内股」ですが、股関節にとってはこれが一番居心地いい状態(言い方w)です。

 

ちなみに、比較的女性は前捻角が大きくなりやすく(内股)、男性は狭くなる(ガニ股)傾向にあります。

股関節付近のトレーニングは前捻角を考慮する

ここでさっきの図に戻ります。

右のように前捻角が大きい場合、つま先はまっすぐでも股関節は外旋位なので、これ以上の外旋はすぐキャパオーバーになってしまいます。

具体的にいうと、大転子の後ろが骨盤に当たってしまうんです↓

これは反対でも言えることで、前捻角が少ない選手の場合、内旋のキャパが狭くなってしまいます。

もちろん、単純に筋肉の制限で硬くなる場合もありますが、これが原因の場合改善は不可能です。

選手はこの股関節の構造を持って、競技生活を進んでいかないといけません。

↑左の前捻角が少ない選手。左股関節の方が明らかに内旋の可動域が少ない。

 

ちなみに筋肉の制限ではなく前捻角の影響で内旋(外旋)がいかない場合、動かしてみるとすぐわかります。

なんというか、「カチッと止まる感じ」です。ぐい〜っと筋肉が伸びる感じではなく、もう明らかに無理ってな感じ(テキトーすぎてすみませんw)

 

話を戻します。

冒頭であげたような、股関節のトレーニングをするときは、前捻角を考慮して、本人の股関節的に中間位のポジションでトレーニングすることが大事ということです。

限界まで内旋位(or外旋位)の場合、うまく目的の筋肉に刺激がいかないどころかケガしちゃうかもしれません。何より本人がしんどいですw


もう一度、トレーニングの動画に戻ってみましょう↑

このトレーニングは内転筋に刺激を入れることが目的なのですが、彼の場合結構外旋位をキープしたままやってるのがわかります。

最初に動画を見たときにも、それに気がついた人もいたのでは?

これは考えなしにやってるわけではなくで、あえて外旋位をキープしてやっていたんですね。

理由はいくつかありますが、もちろん一番は前捻角を考慮した結果、です。

彼は前捻角が極端に少ない選手なので、股関節の負担を考えて外旋位で取り組んでいました。

 

こんな感じで、股関節に刺激を入れるトレーニングをやる時は、彼ら彼女らの骨アライメントを考慮してやってあげるといいでしょう。

もちろん、股関節に関わるアライメントといえば、頚体角やQ-angleなどもありますね。

この辺まで全部記事にしてるとやばいことになるので割愛しますが(笑)、股関節はもちろん下肢全体のアライメントをみてやっていくのが大切ということですね!

 

回答になっていましたか?はなどうさん!!

他のにも、僕の動画やツイートでわからないことがあればいつでもリプ待ってます〜

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