今回は、なかなかにクローズなお話をしたいと思います。
あれは確か、2年くらい前のこと。
(「そんな所から長々と話されても困ります」とか言わないでください。嫌がらせではありません)
とある国の某所で、誰もが知る超一流アスリートとお会いする機会がありました。
一緒に食事をしに行ったあと、その選手の自宅に招いてもらい、夜も老ける時間まで一緒に語り合ったりボードゲームをして過ごしたのですが、その時に感じた「一流アスリートって、こういう感覚で過ごしてるんだ」という感覚。
これは僕にとって新しい価値観でもあり、またその価値観を得たからこそ、その後世界各国どのアスリートと接するようになっても、変に気負うことなく接することができるようになったと実感しています。
このマガジン購読者の中には、将来一流アスリートと関わりたい、彼ら彼女らをサポートしたいと考える方もいると思います。
一方で、一流アスリートとはなかなか接する機会がないため、どのようなスタンスや価値観を以って彼らと関われば良いかわからないのが実際でしょう。
ということで、今回は誰もが知る超一流選手と過ごした経験から、彼らの価値観を共有したいと思います。
他言無用でお願いいたしますね笑
■超一流アスリートの生活と価値観
彼らは、とにかく現実社会から隔離されて過ごしています。
普通に考えたらわかると思いますが、あなたが普段行くスーパーやコンビニに、イチロー選手や新垣結衣がいたらどうしますか?
まあ、、、騒ぎますよね笑
当然、あなただけでなく周りもみんな同じ反応をします。
よって、有名人というものは、一般社会のパブリックな場にいることはほとんどなく、もっと言えば一般社会で過ごすことを許されていません。
これが、彼らの価値観を形成する大きな要素でありかつ有名人の宿命でもあります。ちなみに、彼らはここから一生逃れることはできません。
これを念頭において、彼らのことを語ってみます。
①海外の田舎や郊外を好む
先に書いた「一般社会」と交わるデメリットは、普通の生活ができなくなることでしょう。
僕らは普段、スーパーに行って食べ物や飲み物を買います。また、マクドやスタバに気兼ねなくいきます。当たり前ですよね。ですが、彼らはそれができない。
だから彼らは、できるだけ普通で静かな生活ができるよう、日本ではなく海外の、それも比較的田舎や郊外の別荘地を好んでいたりします。
日本の、例えば東京などの大都市にいると、嫌でも人の目につくでしょうし、みんなミーハーなので騒ぎ立てられることは必至です。
軽井沢や伊豆などの別荘地であれば、また違うかもしれませんが、日本はとにかくプライベートに移動できる環境に乏しい(プライベートジェットの飛行場もほとんどない)ため、郊外に住んでいても移動中に一般の人たちに見つかってしまうリスクが大きくなります。
こうした理由で、彼らは海外の郊外にある別荘地などを好んで住んでいたりします。
僕がその選手と会った時も、海外の郊外でしたし、その選手を通して出会った他の一流選手たちも、やはり海外の郊外を好んでいるようでした。
少し面白いエピソードが、その選手と食事に行った後に自宅に招いてもらったのですが(もちろん、移動はスポンサー企業にもらった車)、途中でその辺のスーパーに立ち寄ってスプライトとスナック菓子を買いにいき、「こういうのができるから、海外がラク好きなんだよね」と言っていました。
僕らができる、なんでもない生活が、彼らにとっては幸せだというのがわかるエピソードですね。
また、彼らは日本で会うときのテンションと、海外で会うときのテンションがまるで違うことも特徴的です。
日本にいるときは、先に書いたような監視の目があるため、割と警戒心が強いですが、彼らのホームで出会うと嘘のように朗らかで優しい一面を見せたりします。(実際、「え、本人?」と思うことも笑)
裏を返せば、一流アスリートは日本にいることは稀ですから、彼らのサポートをしたいのであれば、物理的に彼らと近い位置=海外を見据えて行動しなければならないとも言えるでしょう。
日本の中でどれだけ頑張っても、巡り合いいい関係を築ける可能性が低いのも、事実なのです。
②家にいる時間、家族といる時間を大事にする
いくら海外が過ごしやすいと言っても、やはり一流アスリートなので外国人からも知られた顔であることは間違いありません。
なので、できるだけパブリックな場所ではなく、プライベートが保たれている空間=自宅にお金をかけ、そこで過ごす時間を大切にする傾向があります。
↑これは、テニス選手のシャラポワの自宅ですが、普通にみたら「なんて豪華な家!!」と思うかもしれません。
が、実際有名人は「プライベートでありプライバシーが保証されている空間」は自宅しかないわけで、それを考えると驚くことでもないでしょう。
僕が招いてもらった選手の自宅はさすがにここまでではなかったですが、やはり広くて快適でした。
この傾向から感じたのは、「彼らは拠点から極力外に出たくない」ということです。
プライベートな空間があり、そこで過ごす時間を大切にしているからこそ、他の場所にはあまりいきたがらないんですよね。
つまり、さっきと答えは同じになりますが、彼らのサポートに関わりたいなら、物理的に日本から出る必要があるということになります。日本が大好きな人にとっては辛いでしょうけど。。
③ミーハーな言動をされるのをとても嫌う
これは、本当に感じます。
彼らは、「〇〇選手!!!」みたいな扱いを日々受けているので、ミーハーな対応をされるのを極端に嫌います。
むしろ一般社会から隔離されているので、僕たちが普段営んでいる友人関係のような関わり方を恋しく思ったりもしています。
これは選手として活動している時も同様で、もしあなたが仕事の延長上で一流アスリートと会う機会ができた時、できればミーハーな関わり方は避けた方が良いでしょう。
感覚としては、「共通の友達がいる初対面の人」くらいの距離感で話をすると、近すぎず遠すぎずベターなのではと個人的に思っています。
④孤独に悩まされている
これは。。なんとなく想像つくかもしれませんね。
アスリートというのはただでさえ孤独なものですが、超一流となり名声を浴びる一方で、フラットに付き合える人がほとんどおらず、心の中に相当な孤独を抱えているものです。
実際、アスリートや有名人は、側から見ると成功をおさめているはずなのに、割と自殺率が高かったりしますよね。
そんな中、僕が会った選手もそうですし、他の一流アスリートも、自分のコーチやトレーナーは「心の支え」であると言っていました。
もう、技術とか知見のレベルではないんですよね。
海外を飛び回り、良いことも悪いことも一緒に共有しながら歩んでいく仲ですから、「タメになるかどうか」よりも「一緒にいたいかどうか」を重視する人が多いです。
一流アスリートと関わりたいのであれば、ここを押さえておく必要があるでしょう。
実際、その選手についているトレーナー(外国人)は、その選手が臨む距離感で終始接していましたし、契約関係を超えた人間関係が出来上がっているように感じました。
僕らは契約と聞くと、=仕事!!となりやすいですが、契約であっても仕事の枠を超えた付き合い方ができるかどうか、接し方ができるかどうかが、一流アスリートとの接し方で大事になってくると感じています。
⑤意外と世界を知らない
基本的に、彼らはエリートです。
小さい頃から頭角を現し、業界の有名な人や組織にバックアップをもらい特別なルートで成功への道を進んで来ています。
だからこそ、究極的には個人事業主なのですが、事業という面では何も知らないも同然だったりします。
その選手も、賞金やスポンサー収入で自宅を買っていましたし、車はスポンサー企業提供、飛行機での移動も原則スポンサー企業(航空会社)による手配と、身の回りは彼をサポートしているスポンサーで溢れかえっていました。
が、自身はその実態をあまりよくわかっていなかったして、というかそういう生活が割とマジで普通だと思ってたりします笑
じゃあ、一流アスリートはどうやって契約の話とかしてるの?と思うでしょうが、一流アスリートには必ず、凄腕のエージェントやマネージャーがついていて、彼らが契約の話など諸々を動かしているのです。
もちろん、その分スポンサー収入の一部がそのエージェントなりマネージャーなりに渡ったりしています。
だから、一流選手のスポンサー収入はえげつないことになるのですが。。あれは、選手本人が交渉しているわけではないんですよね。
さて、この実態を踏まえて言えることですが、もしあなたが一流アスリートと関わりたい!彼らのサポートをしたい!となった時、ビジネスの話を選手本人に持ちかけることは、絶対やめといた方が良い愚策と言えるでしょう。
先の通り、契約など詳細なことは全てエージェントやマネージャーが握っていますから、本人にビジネスとして話を持ちかけても無駄ですし、そもそも選手本人がビジネスの話とか言われてもピンとこないだろうことが予想できますからね。
なので、もし一流アスリートと関わりを持てるようになったのであれば、できるかぎり仕事やビジネスカラーを無くして、フラットな友人関係を築くように心がけましょう。
選手はビジネスのことはわかりませんが、自分の競技生活の為に「誰にサポートしてもらいたいか」を選ぶ権利・決定権は持っています。
エージェントやマネージャーを通して交渉しようとしても、彼らは凄腕のプロなので、まあ無理でしょう。だからこそ、理屈ではなく、選手本人に「この人と一緒にいたい」と思ってもらえる関係を作ることが大切になります。
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一流選手のサポートができるようになりたい!というのは、誰しもが思うことでしょう。
しかし、彼らの価値観や求めていることを理解しなければチャンスは巡ってこないのは事実です。逆言えば、しかるべきことを理解し行動していれば、思わぬところでチャンスが広がってきたりもします。
僕が経験したことは、もちろん詳細には他言できないものですが、これを通して得た価値観を共有することで、みなさんが近い将来一流アスリートと関わる機会が出てきたときの参考になれればと思っています。
そんじゃーね!!