こんにちは、西川です。
最近は1億総クリエイター時代と言われるだけあって、トレーナーさんやPTの方も、情報発信をされる方が増えてきましたね。
そして、その媒体もブログやTwitter、youtubeなどなど多岐に渡り…
個人的には、こうして個人がガンガン発信されるのはとてもいいことで、時代の流れ的には当然のことでもあると思っています。
一方で、各分野ごとにいいコンテンツが量産されていく現在、発信しているみなさんも「もっといいコンテンツを!有料級のものを!毎日!毎日!とにかくアウトプットだぜeeee!!!!!」と、いいコンテンツを届けようとして消耗している人も多いのではないかと感じるわけです。
しかも皮肉なことに、いいコンテンツや発信って時間や労力をかければできるって訳でもないんですよね。むしろ、考えれば考えるほど良いものができなかったり、せっかく頑張って生み出したコンテンツが反応イマイチだったり…
ということで、冒頭にもある通り、良いコンテンツを作り届けるために、そしてそのために消耗せず、SNSやweb発信とほどよく良い距離を保てるためのライフハックを、今回はお届けしようと思います。
それでは、始めましょう!
■良いコンテンツは良い人生経験から生まれる
自分の発信を多くの人に届け、うまく伝えるためのスキルは多岐に渡ります。
アルゴリズムやライティング技術、パブリックスピーキングのような話すスキルなどなど。。でもこれらって完全に枝葉であり、本業そのもの・人生そのものを楽しまずにパソコンでカタカタとテクニックだけ磨いても、本当に良いコンテンツは生まれないんですよね。
(僕はこれらのスキルがめっちゃ重要だと普段語っていますが!!圧倒的矛盾w)
テクニック<人生 は真理であり、とびっきり面白い経験をしていたり、誰よりも人生を謳歌している人が作るコンテンツって、発信スキルが乏しくても面白いです。
SNSで良質な発信をし続けたいのであれば、逆説的だけど良質な人生経験をし続けるのが一番のように思う。発信スキルを磨くことも重要なれど、とびっきり面白い経験,人生を謳歌している人の発信は、スキルが乏しくても面白い。僕は良い人生経験になりそうな事にはお金も時間も惜しまないようにしてます😄
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) January 4, 2020
僕がツイッターでフォローしている方々のアカウントを見てもらうと、わかるかと思います。
みなさん、ほんと面白い人生を歩まれています。
■本職は足し算、コンテンツ発信は掛け算
昨今はSNSなどでの発信や、それに伴い「個人のブランド化」を多くの方が意識しているでしょう。
SNSに限らず、インターネットを使った情報発信は、「掛け算」と呼ぶことができます。つまり、一度作り届けたコンテンツが、遠く離れた人にも届き、さらに拡散される…今まで目の前の人にしか還元できなかったことが、より多くの人に届くことで「レバレッジ」がかかる…そんな強みがあります。
これは言うまでもなく強力であり、低コストで誰でも自身の可能性を切り開くことができます。だからこそ、みんなその重要性に気がつき、参戦する。
しかし…
webやSNSの発信は「掛け算」であり重要度が高いように一見思うが、本当に大切なのは「足し算」、つまり本業と向き合い人生経験を積みあげることが一周回って大事である。そして本職に向き合う事で、良い距離感でSNSとも関われる。web発信に伸び悩んだ時ほど、目の前のことに没頭すべし。魔法はない。
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) January 4, 2020
このツイートのように、本質は目の前の人生経験の積み上げ、つまり「足し算」にあると思っています。シンプルに言うと、つまらない経験している人の発信は、いくら着飾っても面白くないんですよね。
大きい母数に掛け算をすることによって、初めて良質なコンテンツが生まれるってもんです。
■本業や、やりたいことに投資しよう
話変わって僕のケースだと、海外遠征に行き始めた頃は、フィーをもらわないどころか全て自腹で行っていました。
その経験は、自分の確かな知見となっていますし、今の自分を作ってくれてもいます。また、海外で出会う人たちとのご縁で、仕事が広がったり自分にとって良い人生の参考になったりしているので、極論いくらお金をかけても良いと思ってます。
一方で、コンテンツ発信はあまりお金がかからないものばかりです。
もっとも高くても、スマホやPCなどのハード面くらい。
自分のやりたいことや本業に投資することは、移動費や宿泊費、交際費、専門家に教えてもらうことへのフィーなど、コンテンツ発信の経費に比べるとたくさんのお金がかかります。一方で、その経験は自分の中に蓄積されるだけなので、一見するとコスパが悪いようにも思えるかもしれません。
しかし、その経験こそがコンテンツ発信の「仕入れ」になり、発信、つまり掛け算をすることによって、あなた自身の影響力になったりブランドになったり、あるいは仕事に繋がったりします。
ネット上の発信にはコストはほぼかからない。スマホを買えば、誰でもほぼタダで「掛け算」できる。
一方、良質な人生経験にはコストがかかる。旅費、交際費、サービス費用……一見コスパが悪い「足し算」だけど、これこそが人に深みを作る。
web時代最盛期の今こそ、スマホを閉じて外に出るべし。— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) January 4, 2020
自己投資といえばそれまでですが、やりたいことにお金を使うことこそが、長期的にみて一番コスパの良い投資になるでしょう。
■コンテンツ発信のために準備すること
本業を磨き、やりたいことに投資することが最もコスパが良いと言いましたが、ただ単に本業に没頭するだけでは、良いコンテンツ発信は生まれません。
本業に取り組みながらも、あなたがやりたいコンテンツ発信にどう繋げるかを常に考え、準備することが大事です。
参考までに、僕が本業に取り組んでいる時に考えていることを挙げていきますね。
①自分の本業やコンテンツが、世の中の何に貢献できるのか意識する
商品開発でも、起業でも、アカウント運用でも、
「それが存在することで世界が(ちょっとでも)どう変わるか」って部分をしっかり考えたほうがいい。「競合にどう勝つか」にばかり考えすぎて存在意義がなくなっちゃってるのがあまりに多い。
日本のガラケーがスマホに大敗したのも、1つはそれ。
— PuANDA (@shoichirosm) December 5, 2018
コンテンツ発信は、「誰に」「何の役にたつか」を明確にしてから取り組むものですが…(いわゆるペルソナですね)
本業に打ち込んだり、新しい種まきをしている間も、「自分のやってることは、世の中のどんな人に、どんな影響を与えてるんだろう」っていうことを、常に意識することが大切です。
②できるだけ画像や動画を残す
フロリダでのトレーニング場面です。
胸郭背部の回旋力を使ってボールを投げるのですが、テニスのバックや競泳の背泳ぎとかの使い方に似てますね。
回旋動作で後面を使うのはレパートリーが少なくなりがちなので、上手く使えると障害予防にも良きです👍 pic.twitter.com/K3NPjzwVIB
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) January 2, 2020
中国のアカデミーで、現地のジュニア達へ行ってるウォーミングアップの様子です。フットワーク系が課題なので、使い方から割と丁寧にレクチャーしています😄
ちなみに、こちらではメディア広報担当の方が滞在されてて、この動画もその方が作ってくれました😭✨ pic.twitter.com/oEaFNG7g4W
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) June 27, 2019
自分のやってきたことを、自分の記憶に留めているだけでは良いコンテンツは生まれません。
なぜならあなたが経験した全てのことは、五感を通して培われるからです。
僕自身も、はじめて海外の仕事をやりだした頃、五感を通じて様々な経験をしました。
景色や常識、文化の違いはもちろん、アメリカの空港や街が独特の匂いだったり、食べ物の味が日本のそれとは全然違ったり、聞こえてくる言語ももちろん違います。
視覚や聴覚だけでなく、嗅覚や味覚も含めた五感全てがあなたの経験として蓄積されます。
あなたが発信する時、それら五感を通じた体験フィルターを通して伝えるわけですが、その全てを文章や自撮りで喋る動画だけで伝えるのは、当然不可能ですよね。
もちろん、五感の多くは実際に現地でなければ体験できません。(だからこそ僕は、現場が一番だと思ってるわけですが)
けど少なくても、写真・動画・音声などを残すことによって、視覚や聴覚はある程度伝えることができますし、撮り方がうまくなると嗅覚や味覚などもイメージさせることができます。
フロリダは今日も快晴。
天気良い朝にテラス出てコーヒー飲んでたら、もうそれだけで幸せですwメリークリスマス🎅🎄 pic.twitter.com/p6lkt6b7PJ
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) December 24, 2019
このメンバーでクリスマスパーティー!
そしてJrデ杯監督、岩本功さんと久しぶりの再会!積もる話が山のようにあったのですが、会って1時間程で用事があるとの事で帰られました。笑
また今度ですね。それにしても
いいメンバー ええ写真 pic.twitter.com/QAbIvY4UQ2— 内田海智 Kaich UCHIDA (@kaichiuchida) December 22, 2019
いとうつくし、フロリダの夕暮れ pic.twitter.com/0qtFjiK0qz
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) December 28, 2019
(↑今回のフロリダ遠征の写真たち)
だから、コンテンツ発信したい方は、できるだけ写真や動画を残しましょう。
……ただ、僕たちトレーナーが、例えばトレーニング動画なんかを残すのって意外と難しくて、第三者に協力してもらうことになりますよね。それに、現場だとそこの許可はもちろん得られないといけません。
このあたりは工夫次第なんですが、もういっそリアルタイムで見たもの全てを録画できるコンタクトレンズとか開発されないかな〜!とか思ったりしてますw
(余談ですが、耳に引っ掛けて主観を全て録画できるガジェットが、クラウドファンディングで出てましたので、購入しました。今後現場ではこれを使っていこうと思ってます)
話は戻って、できる限り全ての動画や写真を残してやる!という気持ちで本職に取り組むのが良いでしょう。
③記録も全て残す
写真や動画だけでなく、あらゆるデータを残しておくこともおすすめします。
例えば、トレーナーやPTの方はご存知?かもですが、成長期に入ったジュニア選手が急激な体の発育に馴染めず、調子を崩してしまうクラムジーという現象があります。
(クラムジーについては、以下を参照に)
【ジュニアの成長と不調】
ジュニアの体作りやトレーニング、障害予防は
体の成長に合わせて進めることが重要です。では具体的に、何を根拠にどう進めればいいのか?
不調やドロップアウトを防ぐには?かなり長いですが、ジュニアスポーツに携わる全ての方に役立てば幸いです。
では始めます↓↓
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) September 30, 2018
【クラムジーに対する、各国コーチの見解】
よく読まれている記事を、定期的に再アップしています。
子供の成長期に伴いやってくるスポーツパフォーマンスの不調「クラムジー」について、僕が海外遠征などで関わった各国のコーチから聞いた意見をまとめてみました。https://t.co/ahSNt9xXx1
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) August 26, 2019
このクラムジー、僕もジュニアの現場でたくさん悩んだのですが、なんとかして解決したい!との一心で、選手のあらゆるデータを当時残していました。身長や体重の変化、インボディ、ROMやフィジカルチェックなどなど…
これは、、とても苦労しました。
なんせ、何年もデータを取り、苦しみながら現場で試行錯誤し、誤解を恐れずにいうと僕の無知のせいで潰してしまった選手もいましたから…
昨日そして先週ツイートしたコラムは、実は僕が現場でしてきた失敗経験から得た知見なんです。
救えなかった選手も多く悔しい思いをしたし、同じように悔しい経験をする人が1人でも減ればと思っています。
だからこうして無料で全公開しています。ぜひ現場の選手に還元していただければ嬉しいです。
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) October 1, 2018
そして、それらのデータが残っているからこそ、発信する時に信憑性のあるデータになり、また教科書的なありきたりなものではなく自分自身だけが持っている生のデータとなることで、多くの人の役にたつ発信にすることができていると自負しています。
ジュニサカ人気記事ランキング2019!
第5位
・成長期におとずれる「クラムジー」に対して保護者と指導者は何をすべきか?#ジュニサカ #ジュニアサッカー #少年サッカー #ジュニサカ人気記事ランキング2019https://t.co/BWgaBeEazg— ジュニサカ【ジュニアサッカーを応援しよう!】 (@jr_soccer_) December 31, 2019
ジュニアサッカーを応援しよう!さん(@jr_soccer_)に執筆させていただいた記事が、年間の人気記事ランキング5位になっていました😆
みなさんありがとうございますm(_ _)mジュニアの体の成長に伴う不調「クラムジー」について書いています。ジュニアスポーツ関係の方はぜひ読んでくださいまし〜 https://t.co/Smt7tf5iUv
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) January 2, 2020
↑これは、ジュニアサッカーを応援しよう!さんに執筆依頼をいただき、書いた記事です。クラムジーについて、実際に取ってきたデータを乗せており、それが貴重なのか年間人気記事の5位になりました。
ただ、もちろんデータを残すことが目的になってはいけません。
現場の目の前にいる選手や関係者の抱える問題を解決したい!選手たちに良くなってほしい!という誠実な気持ちのもと、それに順ずるあらゆるデータを取っていくことが大本命ですが、コンテンツ発信においてはそれこそが貴重なコンテンツとなり得ることを知っておきましょう。
■「現場を拠点にする」と貫くと、全てがうまくいく
僕は昔から「現場を拠点とする」をコンセプトにしているのですが、ジムを持っても海外に出ても、これをブレずにいたからこそ今日までやってこれたような気がします。
いつも周りの方が支えて下さったのですが、それは全部現場で繋がったご縁なんですよね。https://t.co/G6DqQR0KQe
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) December 8, 2019
中国について現地のサポートを開始しています😄🇨🇳予想通りバタバタしてて発信できてませんが、現場の情報が全ての拠点となるので、集中してこちらの知見を深掘りしていきます。落ち着いたら発信しますね!
ちなみに昆明は年中春の気候のため「春城」と呼ばれています。まじで春の陽気です👀 pic.twitter.com/umPUzWw6KD
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) June 19, 2019
僕が信条としていることが「現場を拠点とする」ということ。
これはスポーツ現場に出だした頃からずっと変わっていないポリシーですが、コンテンツ作成や発信においても同じことが言えると思っています。
良いコンテンツを作り、届けるためには、良い人生を積み上げること。
良い人生は人との繋がりから生まれ、それは常に現場を軸にしてやりとりがなされます。
ZOZOの田端氏もしばしば、「現地・現物・現場」と言われていますが、似たようなイメージだと思います。
下手に新聞を読むよりも、「現地・現場・現物」に触れること。身体感覚をともなった情報のほうがよっぽど大切です。
-「身体性」のあるインプットをすれば、脳みそに電流が走る。田端信太郎の情報収集力|新R25(@shin_R25) @tabbata https://t.co/mwyYkqGVhN
— 田端信太郎@Carstay CMO就任!#VANLIFE シーンを盛り上げる! (@tabbata) December 22, 2019
そして、現場を拠点にするとイヤでも本業に取り組む時間=足し算をする時間が多くなるので、SNSなどコンテンツ発信といい意味で距離をおいて生活ができ、消耗することもなくなります。
(一方で、コンテンツ発信の時間=掛け算の時間もしっかり確保しないと、自分の人生がブーストしないので、折り合いをつけるというかタイムマネジメントは大事ですが)
■まとめ
ちと、今回は抽象的というか、マインド的な話がメインになってしまいました。
しかし、多くの情報が行き交い、トレーニング手法やノウハウなどテクニカルなものが賞賛を集める中、本当に大事な本質が問われているのかなと思ったりしています。
最後に紹介した『現場を拠点にする』というコンセプトは、何年経験しても僕に良質な人生経験を与えてくれます。本質はいつも、現場に落ちているものです。
みなさんも、SNSに消耗せず、良い人生経験をしてうまくSNSを使い倒して行きましょう!!
そんじゃーね!