令和元年の8月に、法人(株式会社)を立ち上げたばかりですが、先日法人の銀行口座を無事に開設することができました。
↑三井住友銀行で開設しました。
ツイートにもありますが、ここ最近、法人の銀行口座を新規で開設するのがどんどん難しくなっているようで、せっかく法人を作ったのに口座が開設できない!!ひどく時間がかかる!よくわからないけど全部審査落ちする!と、お困りの方も少なくないようですね。
無事メガバンクで法人口座開設できたのですが、最近は僕らみたいな弱小法人は審査ハネられることも多いみたいですね😅
あくまで一例ですが、準備や手続きなどの一連の流れ、知りたい方いますかね?
需要あれば記事にまとめますので、レスポンスくださいましm(._.)m— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) August 20, 2019
銀行も、マネーロンダリングや振り込め詐欺などに悪用されるのを避けるため、昨今は非常に厳しくなっているようで(法人を作るのは簡単なのに、法人口座を作れないというのは皮肉な話です)。
とはいえ、法人として今後仕事をしていこうと考えているならば、法人口座がないと取引上困るというか、それが理由で契約を断られることもあったりしますから、何としても開設したいだろうと思います。
僕自身も仕事の都合上で法人口座がどうしても必要で、それもなる早で作りたかったのですが、事前に色々とリサーチして準備した結果、無事にトラブルなく審査通過し、開設することができました。
あくまで一例ですが、出来立てホヤホヤ(設立1ヶ月目)の弱小法人で、法人としては実績も売り上げもない(なんせ出来立てなので)状態で開設できたので、法人口座の開設に苦労してる方にとっては参考になるかと思います。
※本記事は割とマイナーな情報ですが、個人情報含め割と細かく情報を記載しているので、オープンなSNSではなく有料noteとしてアップしています。正直、記事としては割高だと思うので、この記事単発ではなく、ぜひこの機会に定期マガジンを購読していただくことをオススメします。
それでは始めます。
■なぜ法人口座を作ることが難しいのか
冒頭でも挙げましたが、年々法人口座の開設は厳しくなっているといいます。
普通に考えると、法人がたくさん儲けて融資を受けたりすると銀行は潤うので、開設を断るのはもったいない気もしますね。ですが、彼らが審査を厳しくしているのは、マネロンや振り込め詐欺に使われるケースが増えていて、それを防ぐ目的であるというのが最も大きい理由です。
僕の顧問税理士曰く、昔は振り込め詐欺用の個人口座が売買されることが多く、銀行はそれに対し慎重な対応を取るようになってきたそうです。
そして、イタチゴッコのように、反社会組織に絡んでいる人が代表となって法人設立+法人名義口座を開設した後に、反社や犯罪組織の連中が、その法人ごと買い取る、という手法で振り込め詐欺用の口座を取得している例も増えてきているようです。
今、審査とかめちゃくちゃ厳しくて法人口座作るの大変ですよね😂手続き諸々めちゃくちゃ時間かかったの懐かしき…。 https://t.co/5rn8mNXNM1
— 信田泰宏@パワーリフター (@yasuhiroshida) August 20, 2019
暴力団の可能性がないか、本当にビジネスの実態があるか、ホームページ、チラシ、登記簿、事業計画書。etc
とかなんかめちゃくちゃ調べられた気がする!
ねー。昔はゆるゆるだったのにね。🙄笑— 信田泰宏@パワーリフター (@yasuhiroshida) August 20, 2019
銀行さんに、世界的な監査が入るから余計にでしょう…海外送金もかなり難しい状況ですし
— 高津 諭/校長先生×パーソナルトレーナー (@LEAN_BODYS) August 21, 2019
つまり銀行側は、反社会組織などに犯罪的な使い方をされるのが嫌なので、なんかよくわからない事業をしていると思った会社をふるいにかけている、ということになります。
逆に言えば、ちゃんと真っ当な事業をしていると分かればいいので、例えば売り上げの規模が大きくないとメガバンクでは口座開設できない、とかは完全に迷信ということです。
事実、僕は法人成りして初月で、大きく売り上げもない状態でしたが、こうして口座開設ができているので。
■今回の一例
僕が今回、三井住友銀行で申請した時点での、法人及び個人の基本情報が以下になります。
・株式会社、資本金100万(100%自己資金)
・設立初月(令和元年8月1日に登記)
・借り入れなし
・固定電話なし、携帯電話のみ
・会社のホームページなし(※後述)
・事務所は自宅
・過去に個人名義での債務処理経験はなし
・基本的に個人名義クレジットカードの支払い遅延はなし。ただし、ジャパンネットバンクの口座にヤフープレミアムの月会費(数百円)を登録していたことを長年忘れていて、未払いがたまり口座凍結された経験はあり(笑)
・メインの個人名義クレジットカード(AMEX)は、毎月10~50万の支払い。支払い遅延は一度もなし
・僕個人および法人での犯罪歴なし(中学生の頃に家の近所でエアガン打ってて補導されたくらいですw)
こんな感じです。
個人的には、少し不安でした。ネットで調べると、審査落ちしたほとんどが「固定回線を敷いていない」、「会社のホームページがない」、「事務所が自宅」という事業の実態がないと思われかねないものであり、僕の事業も羅列するだけと、まさにそれと同じだったからです。
ま、銀行側からしたら怪しさ満点の会社ですよね。
で、当然僕もこれらはマイナスポイントになるであろうことはわかっていたので、「事業の規模が小さくても、真っ当なビジネスをしている会社と判断してもらえば大丈夫である」という仮説のもと、「事業の実態があることをどうやって説明するか」に注力しました。
■実際の申請で
もうすでに、メガバンクでの法人口座開設にトライしたことがある方はわかると思いますが、メガバンクは基本的に塩対応です。窓口の担当と、書類を審査する中の人は別だからです。
なので最初の訪問では、窓口の人に必須の書類を渡すだけでした。
(三井住友の場合、必要書類は履歴事項全部証明書と、法人の印鑑証明書、それに身分証明書のみです)
行くまでは僕も何も知らなかったので、最初は窓口で事業についてあれこれ説明しようと思っていました。
なにせ必要書類だけだと企業の実態はわからないし、定款にはいろんなことが書いてあり、スポーツトレーナーは「その他サービス業」の中の「その他」に該当するので、これだけでは怪しさ満点だからです。
しかし、窓口は書類を受け取るだけだったので、必要書類のコピーを取られただけで、およそ5分で終了しました。
で、その後10日ほど過ぎたころ、追加で色々とお聞きしたいことがあると電話が入り、
・事業内容
・主な取引先の施設名
・取引先の代表者名
・取引先が僕に支払うお金は、どこが出所か
などを確認したいと言われました。
僕の場合、この法人口座での主な取引先が中国のテニスアカデミーで、それを初回の申請時に窓口に伝えていたので、マネロンなどの可能性も含めて細かく聞かれたのだと思います。
ちなみに中国の取引先は、施設の半分は民間企業が、もう半分は政府(雲南省)が運営している、日本でいうと第3セクターに当たる施設でした。
なので、施設の英語表記での名称と、民間企業の代表者の名前、そして雲南省というのをそれぞれ回答しました。
※今思うとですが、国内だけの取引であれば、ここまで聞かれることはないかもしれないです。さすがに、わざわざ中国の施設まで直接電話して確認することはないはずですから、銀行側が海外や外貨取引が絡むことに関して慎重になっていたのだと思います。
一方で、取引先が国内のみで、かつ法人の取引先がもしある場合、あらかじめ「主な取引先として書類に明記しても良いか」を先方に頼み、承諾してもらうのをオススメします。もしかすると、銀行が取引先に電話で確認するというケースもあるかもしれないので。
その後、事業の実態について聞かれたので、
・テニス選手のトレーナー活動がメインであること
・海外に行くことが多く、従業員もいないので、事務所を自宅に構えており、固定電話も敷いていない。固定電話を敷いても出られないことが多いので、今後も導入するつもりはないということ
・設立したばかりの法人でHPが存在しない。しかし、法人成りするまで5年間は、ほぼ同じ内容で個人で活動しており、その活動はブログで記録を残している、ということ
を伝えました。
ここで個人的に手応えがあったのがブログで、ブログの存在を伝えた時は明らかに電話越しでの担当者の反応が違い、「あ、それを見れば、事業の実態がわかるということですね!」と言われてました。
法人口座開設するのに、僕の場合一番役に立ったのはブログだったと思ってる🤔
出来立てホヤホヤ法人でHPも実績も売上もないけど、個人の時から4年くらい続けてるブログがあるからそれ見てくださいって言ったら数日後審査おりた。
ブログはストック資産+活動の実態も証明してくれるツールであると🙄
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) August 21, 2019
僕のブログはこちらですが、2014年からの記事が全て残っているので、活動の実態を伝えるなら、口頭で言ったり法人用のHPを無理して作るよりも、ブログを紹介する方が手っ取り早いと考え、先方にそう伝えました。
そして、その2日後に再び電話があり、無事審査が通ったことを伝えられました。
■審査通過に重要&重要でないポイント
これらの経験を通して、意外とネットの情報は当てにならないな、ということがわかりました。というより、個別的要素が多すぎるので、ネットの情報がその人に当てはまることがないというか。
今回の僕のケースを通して言えることをまとめると、
■重要ではない(必須ではない)ポイント
・固定回線やHPは、正当な理由があれば必須ではない
・資本金は100万あれば十分
・一人会社かつ、設立して間もないケースでも大丈夫
・売上の数字や、会社の規模は重要ではない
■重要(必須)ポイント
・活動の実態が明確にわかり、それが誰でもアクセスできるものとして存在していること
・取引先など、お金の出所を明確にできること
■不明確なポイント
・借り入れの有無が審査に影響があるかはわからない
・個人での支払い遅延などの信用スコアがどの程度審査に影響しているかはわからない
という感じになります。
銀行目線で考えると、別に会社の売上規模とかはどうでもよくて、ちゃんと真っ当な事業をやっているのか、反社会組織や犯罪集団と繋がっていないと判断できそうな材料はあるか、というのを知りたいのだなぁと感じました。
そうすると、既述の通り、活動の実態が明確にわかり、それが誰でもアクセスできるものとして存在していることは非常に重要で、現代であれば実名でのブログやSNSを運用していることは、十分信頼に足る資産であるとも言えるでしょう。
実名での発信はリスクもありますが、少なくとも今回のケースでは活動の実態を証明する、数少ない記録として機能してくれました。
一方で、その証明はブログ以外でも構わないかと思います。
用は活動実態をある程度証明できればいいのですから、
・動画
・facebookやTwitterなどのSNS
・雑誌やwebマガジンなどの取材で取り上げてもらった記事
・本を出版している方はその本
なども該当するかと思います。
僕はやっていなかったですが、もしこれらの証明があるならば、プリントアウトして、初回の申請時、窓口の人に必要書類と一緒に渡すのがいいと思います。加えて、A4の紙などに、事業内容を詳しく書いて、ブログなどのwebサイトのURL(検索ワード)なども書いておくこと。
これらは必須ではないですが、審査を通過する確率を高めてくれるはずです。
法人口座を開設するのに、決まったやり方はないので、あなたなりのアイデアで、銀行側が安心できるような情報を提供し、口座開設まで持っていきましょう!
そんじゃーね!