西川です。

2020年は、全豪オープンジュニアの帯同からスタートしました。

今年もやはり海外での仕事が多くなりそう…ですが、ある時海外で活動されているトレーナー仲間の人と食事をしている際、その人が

「日本人って、海外で仕事するときの常識とかマナー知らない人多いから地雷踏みがちだよねw」

な〜んてことを言ってまして。

僕も、「それ、分かるッッ!!」とケラケラしてたんですが。

…よくよく振り返ってみると、自分自身も海外で活動し始めたばかりの時って、常識やマナー、モラルを知らずに地雷踏みかけた(片足踏んでた?w)こともしばしばありました。

例えば、ビザのことなんてその典型です。

塩谷さんのツイートにもあるように。

SNSなどオープンな場にはあまり話題にならないですが、仕事するにしても生活するにしても、海外を見据えるならまず解決しなきゃいけない問題がビザなのですが、これは意外と知られてないんですよね。

ついつい、英語や文化になれるハウツーばかり追いかけがちで。

だけど、例えば上のツイートであるような「ビザ」のことなどは、かなりディープな個人情報として扱われているため、良くも悪くもオープンな場で書くことはタブーと言われています。

こうした、海外ならではの常識やマナーなど、「グローバルスタンダードな価値観」というものは多数あります。

一方で、これらの情報はオープンな場には出回らない(実際に行って体感しないとわからない部分も多く、マス需要もあまりない)のですが…

これを理解しておくと、いざ海外で活動したいとなった際にチャンスをつかみやすくなります。

というか、こうしたグローバルスタンダードを知らずに地雷を踏んで、自分の実力を披露することなく消えていってしまった人もたくさん見てますので、ある種リスク管理とも言えるかと思ったりしています。

・・・考えれば、いつもいつも「これからは海外で活動できないと話になりまへんで〜」って煽ってる割には、こうした一番大事な価値観やマナーなど海外で生き抜くイロハを置き去りにしてきた感があります。苦笑

なので、今日はこれについてとことん語っていこうかと思います。

それでは始めます!

①ビザの情報は、よほど親しい人にしか公開してはいけない

■海外に出るなら、目指す国のビザについて詳しくなろう

まず、冒頭に出たビザの話から。

これ見てる皆さん。ビザって言われても、存在は知ってるかもしれないけど、なんかピンとこないな?とか思ってるでしょ?

なんなら、「別にビザなんか、例えばカナダで働きたいと思ったら、申請したらすぐ貰えるっしょ?w」とか思ってませんか?

それ、マジでとんでもないですよ。

海外で仕事したくて、あるいはもし働きたい国が決まってるなら、その国のビザの知識はいますぐ本気になって調べてください

基本的に、海外で仕事しお金をもらうためには、現地の就労ビザを取得しなければいけません

しかし、就労ビザというのは裏を返すと、「あなたの能力が、私たちの国の人間よりも優れている証明ですよ」とその国が認めてくれているサインでもあります

今、地球規模で人口は増え続け、ワーキングプアなど仕事がなくて大変な自国民は多くいます。

当然、各国はその人たちに仕事をあげたいと思っているので、普通に考えてよそ者であるあなたに仕事を分け与えてやる義理も必要なんて一切ないんですよね。

ですから、途上国はともかく新興国や先進国で仕事をする場合、その国で働く現地人よりも優れたスキルを持ち、その国の利益になるような人材だと評価されない限りは、就労ビザなんて発行されません

だから、、例えばあなたがPTとして海外のリハビリ現場で働きたいとなったとき。

リハビリの知識は十二分にある。技術は誰にも負けないという自負もある。
でも、英語ははなしぇませ〜ん。。。

これでは、英語圏で役に立つ存在にはなれないですよね。そんな人は、日本の中で働くなり起業するなりしてればいいのです。

・・・・と、意地悪はこれくらいにしておいて(笑)、就労ビザというのはこうした位置づけで、取得するにはその国に利益をもたらす人物だと認めてもらわないといけません。

しかしながら、とりわけ先進国では、この就労ビザの取得がかなり難しいのが現状なのです。

例えば、アメリカなんかは、トランプ政権に変わってから世界一ビザが下りないようになったとも言われています。

現地の日系企業に就職することが決まって、企業からはオファーが来ているのに、政府がビザを発行してくれず断念せざるを得ないパターン(企業の力が弱いとも言えますが)や、アメリカ人と国際結婚をしたのに、現地のビザが5年以上も降りずにアメリカに住むことができない、など。

こうした話は、あまりオープンには出ませんが、本当に深刻な問題として存在しています。

もちろん国によって難易度は異なりますが、先進国であるアメリカや中国、オーストラリアはかなり難易度が高く、途上国は比較的イージー、また先進国でもカナダなど地理的な理由で自国の産業が育ちにくく、古くから移民の力を借りて発展して来た歴史がある国など、比較的ビザを取得しやすいと言われています。

■ビザのことを軽々と他人に話してはいけない/聞いてはいけない理由

さて、本題です。

ビザの重要性はわかってもらえたと思いますが、「なぜ他人に聞いてはいけないのか?話してはいけないのか?」はまだピンとこないと思います。

……ひとつ、僕たちの活動にも大きく影響する理由をあげると、「商売敵にリークされる恐れがあるから」です。

例えばアメリカの現場と繋がり、現地で仕事をすることになった場合。

先に書いたように、普通は企業やチーム側がそれを認めていても、アメリカのビザはなかなか降りません。

しかし、ビザが取れるまで何年も待っている余裕はない…この場合、うまい抜け道的な方法を使って、現地就職させている企業も実はいくつかあったりします。

例えば、商談するためのビザ(これは就労ではないので、現地でお金を稼いではいけない)を代わりに取得して、給料は日本支社から日本の口座に振り込むことにする…などといった方法です。

これは国によりやり方は異なりますが、不正労働とまでは言わなくても正規ルートとは言えないやり方です。

が、正規ルートで行ってもほぼビザが降りないアメリカや中国などでは、こうするしかなかったりしますし、行政も企業も個人も、半ば暗黙の了解としていたりします。

一方で、その企業のライバル企業、つまり商売敵に当たる組織や個人にとってはどうでしょう。

常にあなた個人や、あなたの企業を潰すためのネタを探していたりします
そんな時に、ついポロっと正規のビザを持たずに仕事をしていることを話し、情報が漏れてしまったら……

わかりますよね、間違いなくリークされます

これは個人情報であると同時に、企業にとっても守るべき情報だったりします。

だから反対に、あなたが海外で気安く「ビザはどうしてるの?」とか聞いちゃうと、(え、こいつもしかしてスパイか…?怪しくない?ちょっと気をつけよう)となるのは当然なんです

いきなりビザの情報を教える/聞くというのは、いきなり住所を教える/聞くのと同じくらいインパクトがあることを覚えておきましょう。

これに関連して、既出の小野寺さんはアメリカで企業され、自力でアメリカのビザを取得されています。

これは大変レアなケースで、とんでもない労力が必要だったのはいうまでもないでしょう。

しかし、小野寺さんはそんな「アメリカビザ取得までやって来たこと全て」の情報をnoteにて公開されています。

これはもちろん有料で、47800円で販売されていますが、正直安すぎだと僕は思っています。アメリカビザを自力で取得する情報など、本来は数百万円単位のものだと思っているからです
(というか、お金払っても手に入れられる情報ではない)

そのくらい、ビザというのはみんなが悩み、センシティブであり、大切にすべき個人情報ということです。

②考えを主張しないことは失礼にあたり、権利を奪われても仕方ないととられる

ビザの話はひと段落ということで。

ここからは、海外での身の振り方というか、出会う人たちとの接し方や価値観について触れていきますね。

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僕たち日本人は、遠慮したり、周りと同じ言動を取るのが良しとされていたりします。学校でもそのように教育されてきた背景がありますし。

どちらかというと、周りと同調したり空気を読んで発言をしない方が、その場が良くなったりしますよね。

そのためか、日本人は海外に出ると群を抜いておとなしいです
英語が苦手であることとは無関係に、です。

ですが、海外はどんな国であれ、「意見を主張しないなら、権利を奪われても仕方ない」という価値観を持っています。

一つ、スポーツ現場であるあるのシチュエーションから解説します。

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例えば、あなたがトレーナーとして海外の試合に帯同することになったとします。

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(今回の全豪オープンジュニアにて)

試合会場では、どのスポーツも試合の前にウォーミングアップをしますよね。

ここで、いろんなトレーナーさんに聞いてわかったのですが、どのスポーツもウォーミングアップの場所を巡って取り合いがうまれやすいそうです

ちなみに僕はテニスが専門ですが、テニスも普通に良くあります笑

練習コートを予約しているのに、関係ない他国の選手が「使わせてくれ」と言って入ってくる。

こうした場面は、形は違えど他のスポーツもよくあることだそうです(僕はテニス特有だと思ってたのですが、他スポーツでもよくあるシチュエーションだと知って笑い転げましたw)

で、こうした場合、こちらは試合前なので選手はしっかりとアップが必要です。もちろん知らない人たちの要求をOKすることはできませんが、英語を話せるのは周りであなたしかいない…

こんな場面、あなたはどうしますか?

少しだけならいいよ、と使わせてあげる。

最初はNOと言うが、向こうがなんども主張している間に妥協してしまう…

日本人は遠慮しがちですから、こうした対応をしてしまうのはあるあるなんですよね。

しかし、このように「譲るべきでない場面」で黙りこくってしまったり、少しならいいやと妥協してしまうと、自分は楽ですが自分の選手たちにとっては本当に迷惑ですし、ストレスになります。何より、パフォーマンスの発揮ができません。(確実に選手からの信頼も下がります)

このシーンでは、選手ファーストを考え、自分勝手な要求をしてくる相手の人を何が何でも追い払って、自分たちの権利を守らないといけないわけです。

この価値観は非常に大事ですから、覚えておきましょう。

徹底的に自分の意見を主張しないと、海外では自分たちの持っている(守られているはずの)権利が奪われてもいいよという合図になってしまうということです。

日本にいたら、他人の権利を侵害し合う場面など稀でしょう。

新幹線の指定席を予約したら、その席が他人にとられることはあり得ませんし、ラーメン屋の列に並んでも、横から入られることも基本的にありません。

しかし、海外でこれは「平和ボケ」と言われる価値観です。苦手だろうが何だろうが、意見を言わないと自分や選手たちの権利はどんどん奪われていく……海外の特に競技スポーツ現場は、そういうものです。

ちなみに。

このシチュエーションでの正解は、「一歩も譲らず主張して、相手を追い払う」ことですが、別に全て英語で話す必要はありません

もちろん、最初は英語で丁寧に「いや、ここは自分たちが予約しているし、このあとすぐ試合だから無理なんだよ」と意見を言うべきでしょう。

しかし、それでも相手が駄々をこねるなら、母国語(つまり日本語)でキツく言うのも一つのテクニックです。

無論、日本語は伝わりませんが、母国語で感情をむき出しにして伝えることで、「あ、こいつは譲る気は無いんだな」と思わせることができます

意見を主張するということは、必ずしも相手の言葉に合わせるということでは無いです。こちらの考えやポジションが伝わればいいわけですから。

この他にも、自分たちの権利を奪ってくる人や、未だ人種差別的な言動をとられることも海外では普通にあります。

性格的に苦手〜とかではなく、自分たちの権利を守るために、主張しなければいけないということを覚えておきましょう。

③他人の行動や価値観についてあれこれ言ってはいけない

これも、ヒジョ〜に大事なことです。

文章だけ見ると、さっきの「意見を主張する」と反対のこと言ってるやん?と思うかもしれませんが…

こちらは、他人の価値観に対する話です。

以下のツイートがわかりやすいですね。

金融界の第一線で、かつてニューヨークで長く仕事をされ、現在はフロリダに住んでいる広瀬さんという方です。

…日本は、良くも悪くも「他人を監視し合う」ことで今の社会が成り立っています。

電車で騒いだりしないのは周りから白い目で見られるからですし、和服が好きな人でも、「え、着物が普段着なの…?」と思われるのがいやで、普段着で着物を来ている人はほとんどいないでしょう。

しかし、一旦海外に出ると、ご存知の通りみなさん自由です笑

ニューヨークの電車では、突然ギターの弾き語りが始まりますし、どの国でも夏は上半身裸でランニングしているおじさんもよく見ます。場所によっては女性もビーチで上半身裸になってたりするほど(鼻血ブー!!)です

こうしたところからも、海外では「お互い干渉しない」「みんながそれぞれ好きなことをやる権利があり、それは認められなければいけない」という価値観があります。

なのでもちろん、電車でギターを弾いてても、上半身裸でランニングしてても、それを「はしたない」「誰もそんなことやってないんだから、変なことはやめなさい」という目で見るのは、大変な失礼にあたることは覚えておきましょう。

あなたが和服が好きなら、海外でも和服を着ていいんです。海外は自分とは違う価値観を認めあおうと言う意識が強いので、きっと「わお!ジャパニーズスタイル!!」とか言って喜んでくれるでしょう笑

(逆に、ニューヨークに行った時は、ある種これが行き過ぎてるな…とも感じましたが。なんというか、個性を主張しなければいけないとか、自由を謳歌しなければいけないとか、そんな雰囲気を感じたので…僕はこれを「自由の押し付け」って勝手に呼んでます笑)

ともかく、海外でこれから活動する場合、自分とは違う価値観や風習に出会った時、最初は意識的にでもいいのでそれを全面的に認めてあげるようにしましょう。

ある宗教の人は、仕事中でも道で正座してお祈りの儀式を始めますし、中国やその周辺の地域では、ご飯を食べるときにわざわざ「クチャクチャ音」を立てたりします。

いずれも日本の習慣とはかけ離れたものですが、それに対してあれこれ言わないことが大事です。

④日本の「サービスに対する価値観」は、世界から見たら異常であること

さて。だんだん日本文化の悪口を言ってるように聞こえてきたかもしれませんがw

違いますよ。海外で必要な価値観を説いているだけです。笑

次は、サービスに対する価値観、とりわけ金銭感覚についてです。

日本の外食は、コストパフォーマンスが世界一であるとよく言われます。
これは、僕自身も感じます。

物価の安い国に行けば、日本より安く外食できるところなどいくらでもあります。

しかし、世界のどこを探しても、吉野家のような味や清潔感、安全やクオリティをあの価格で提供できるところはありません

アメリカに訪れるとわかると思いますが、外食などのサービスについては、それはほんと酷いもんですw

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↑フロリダIMGアカデミー近くにあるラーメン店。うま●っちゃんくらいのクオリティで、14ドル(1540円)。

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↑シカゴの空港で食べたアラビアータ。五右衛門パスタくらいのクオリティで23ドル(2530円)。。サイフが痛い…

…海外ではこのように、「クオリティを求めるなら、そのぶんお金払ってくださいな」という考え方です。安くで食べられるものは栄養価が悪かったり清潔でなかったりするのが普通なんですよね。

これはほんと良し悪しなのですが、日本は海外に比べサービス精神・お客様精神が強い。強すぎるくらいに。。と感じます。

先の吉野家などもそうですが、他のサービス業についても、「サービスや専門技術は無料である」という価値観があったりします。そのせいか、サービス業をされている方の多くは、求められるレベルに疲弊していたりもします。

余談になりますが…僕は当初、欧米の「チップ文化」が嫌いでした笑

日本でなら、サイ◯リアと同じ味のパスタを1500円くらいで提供されて、しかもサーブも遅いし、その上20%もチップ払うなんて、お前らアホか!!って思ってましたw(今だって思ってますw)

けど、先のようにサービス精神を強く求める日本文化と、それに疲弊している現場の人たちを見ていると、欧米のチップ文化ほどでは無いけど、この価値観は良し悪しなんだなと思うようになりました

つまり、相応のサービスを受けたければ、きっちりと対価としてお金を払う。
お金を払わないなら、質が低くても文句は言わない(言えない)。

海外は基本、この価値観で社会が回っていることを知っておきましょう。

なので、あなたが専門家として(例えばトレーナーとして)海外で活躍する際も、基本的には安売りする必要はありませんし、周りもそれを望んでいません

当然、スキルがあることが大前提ですが、何もかも無料でやる必要はないということです。

一方で、なぜか海外では日常の場面では「助け合い精神」が盛んだったりします。

例えば、道端で知らぬ他人が困っていたら、助けるのは当たり前。迷っている人に道を教えてあげる、など。

これは、皆さんも海外旅行などで経験したことがあるのではないでしょうか。

多くの方が、「積極的に」助けてくれるんですよね。

あるとき、これを海外のいくつかの国で聞いたことがあります。

「なぜ、みんなこんなに助け合いに積極的なの?」と。

すると、特に理由はないかなと口を揃えて言っていました

ただ、1人だけ「みんな完璧じゃないからじゃない?」と言っていて、これは妙に納得したというか、ハッとさせられたのを覚えています。

ちなみに、日本では子供に「他人に迷惑をかけてはいけません」と言いますね。

これがインドでは、「あんたは他人に迷惑をかけてるんだから、他人の迷惑も許してあげなさい」と言うそうです。

これが、助け合いというか、さっきの話に繋がるのかもしれませんね。

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長くなってしまいましたが、海外に挑戦するにあたり、日本とは違う考えや価値観を受け入れるのは簡単ではないでしょう。

しかし、グローバル社会において、海外に飛び出して活躍できる人は貴重ですし(僕も煽ってますしw)、今回の記事があなたのメンタル面で良い影響になれれば幸いです。

そんじゃーね!!