こんにちは、西川です。
2012年に4Gが始まり、ガラケー→スマホの波によって世界が変わったのが記憶に新しいですが、今時代は4Gから5Gに移行しようとしています。
もうすでに中国やアメリカの一部では5Gはスタートしていて、日本でも来年から導入される予定ですね。
5Gと聞いてもピンと来ないかもしれしれませんが、僕たちが今享受している4Gという世界も、当時は革命的なものでした。
時期的に言えば iPhone 4 が出始めた頃でしょうか。およそ2012年ぐらいのことですね。それまで「パカパカ」のガラケーを使っていた人たちも、こぞってスマホに変え、今ではほとんどの人がスマホを使っています。
言うまでもなく、スマホはすべてを変えました。
言い換えると、3Gから4 Gに変わることで世界が変わったとも言えます。
では次に行ってくる(もうすでにやってきつつある)5Gはどうなのか。
これは、3Gから4Gに世界が変わった時を遥かにしのぐくらいの革命が起きるとあちこちで噂されています。
まだピンときていない方は、この動画を最初に見ることをお勧めします。
今旬のオリラジ中田さんのYouTube です。5Gの世界を、非常にわかりやすく伝えてくれています。
さて、5Gで今まで以上に世の中の暮らしが変わっていくと、私たちスポーツトレーナーの仕事はどういった影響を受けるでしょうか。また、5G世代を見据えて、今から準備しておくことや取り組んでおくことは何でしょうか。
言うまでもなく、時代の流れを先取りできた人は、次の世代で非常に物事を有利に運んでいき豊かになることができます。
今回のnoteでは、5G世代にトレーナーがどういった戦略をとるべきか、そのために今からイメージし準備できることを、僕の独断と偏見で書き綴ってみました。
それでは始めます。
■5G時代に起こる変化
①バーチャル空間の活用
教科書的なおさらいを少しすると、5Gの主な特徴は、超低遅延、大容量通信と言われます。
よく言われているのは、映像の概念が変わるということ。
2Gから3Gになって、手紙が終わった。(=文字伝達のコモディティ化)
3Gから4Gになって、雑誌・新聞が終わった。(=画像伝達のコモディティ化)
4Gから5Gになると、テレビが終わるだろう。(=映像伝達のコモディティ化)— PuANDA (@shoichirosm) August 28, 2019
ブロガーの方がこぞって YouTube に参戦したり、 ライブ配信の市場が伸びているのも、これが関係しているのですが。
これが5Gによって加速すると、バーチャル空間の利用がますます加速すると言われています。
具体的には、今まで電車に乗って家からオフィスに出勤していたものが、インターネット空間上にオフィスが作られそこにみんなが出勤する(ログインする)という形も、今より増えていくでしょう。
いわゆる、リモートワークですね。
また、Dr.が、画面を通して遠隔操作で手術をする時代も必ず来ると言われています。つまりバーチャル空間でサービスを完結させるということです。福岡市などでは、もうすでにDr.がオンラインで診察するケースも始まっていますね。
これは後述しますが、僕たちトレーナーにとっても直結する話です。
例えば、今では実店舗でパーソナルジムを構え、そこに広告をかけて集客するというスタイルが主流でしたが、これからはバーチャル空間でパーソナルトレーニングも行うスタイルも主軸になり得るわけです。というか、もうすでに始めているトレーナーさんもたくさんいますよね。
こうした流れが加速するというのがまず一つです。
②前期は都会の価値が高まり、後期は地方の価値が高まる
一方で中田YouTube でも言及されているように、5Gというのはいきなり普及するのではなく、徐々に徐々にその電波を拡大していくことになります。
今、日本の回線はほとんどが4Gですが、予算のある例えばソフトバンクなどから、資金を投入し5Gを積極的に導入し始めるでしょう。
当然ながら、多くの利用者を獲得するために、まず5Gの電波を導入するのは都心や横浜、大阪などの大都市になります。そして、それと同時か少しタイムラグをおいて、その他の主要都市に広がっていくでしょう。
また同じように、外国人のインバウンド需要を満たすため、観光客が多く訪れ独自の文化を持った街(京都など)にも、早い段階で5Gが敷かれると予想できます。
※ここは、都市自体のポテンシャルに加え、各自治体の方針も大きく関わるでしょう。テック系に明るいor推進している自治体であれば、大都市でなくても早期から導入するケースも考えられます。
ここまで、つまり5G前期のインフラが整うのに、最低半年〜1年半ぐらいかかると見られていますが、少なくてもその間、5Gのテクノロジーを享受したい層(若者や、それらを活用しビジネスをしたい層)は、今よりもより、地方を離れる傾向が高まるだろうと予想できます。
一方で、これまで通りの暮らしを大きく変えたくない団塊世代以上の人などは、あえて5Gのために都会に行くことはしないでしょう。
つまり、5Gのいわゆる前期においては、 都会と地方で、情報伝達の手段において、かなりの格差が生まれるはずだと考えています。
5G前期(同インフラが普及していく間)の数年間は、都会−田舎よりも都会−海外の都会(同じインフラレベル)の方がコミュニケーション、ビジネスの距離が圧倒的に近くなり、全国に5Gが普及しきった後期になると、都会より地方や田舎の価値が見直されるようになるのではと予想してまつ。
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) September 20, 2019
逆に、5Gをいち早く導入する海外の都市とのコミュニケーションの距離は、非常に近くなるでしょう。
地球規模では、「格差」はむしろ縮小している。 https://t.co/dJaeT1qP5L
— 田端信太郎@Carstay CMO就任!#VANLIFE シーンを盛り上げる! (@tabbata) April 24, 2019
グローバルな格差縮小とローカルな格差拡大が同時に起こった結果、同じ国で知的水準が違う人より、違う国で知的水準が近い人の方が会話が成り立ちやすくなっている。
たとえば、日本の地方のマイルドヤンキーとは会話が成立しないけど、カンボジアやバングラデシュの大学生とは会話が容易に成り立つ。
— 悠斗 (@yuto_le) May 30, 2019
今、地球規模では格差は縮まっており、特にアジア圏を見渡すと、経済の発展からグローバルでの格差縮小を感じさせる機会が多いです。
そして、物理的に距離が離れていても、知的水準や趣味、仕事や価値観が近い人間同士でのコミュニケーションの距離も同時に縮まっており、これは5Gによってさらに加速するでしょう。
これらを、投資家の悠斗さんは「ローカルな格差拡大と、グローバルな格差縮小」という表現をされています。海外のさまざまな町を歩いていると、年々それを実感します。
そしてこうなると、私たちトレーナーの取るべき戦略も変わってきます(後述します)。
③5G後期は、都会より地方や自然豊かな場所の価値が見直される
そして、各国の主要都市に5Gが導入された後、すなわち5Gの後期になると、今の4Gのように、日本中で5Gが敷かれるようになっていくでしょう。
こうなると、一転して、都会の価値はゆるやかに下がっていくのではないかと個人的に考えています。
例えば、バーチャル空間に出勤して、バーチャル空間で仕事をする。
サービスを受けるのも提供するのも、実際のオフィスや職場ではなくバーチャル空間で行うようになれば、わざわざ家賃が高く人混みの多い都会に住むメリットも薄れていくからです。
そうなると、今度は利便性の高い地方都市(福岡や札幌など)や、自然の豊かな町(沖縄や軽井沢など)の価値は、相対的に高まってくるでしょう。
何が言いたいかと言うと、5Gの普及は時間差でやってくるため、それぞれの段階に応じたサービス戦略を練っていく必要があるということです。
■5G時代前期の戦略
先に書いた通り、5Gの前期に関しては、普及している大都市近辺と、普及していない地方との格差が広がると見ています。
また、海外でも同じような流れになるはずでしょうから、5Gを何かしらの形でビジネスを取り入れるのであれば、同じ日本の大都市に住んでいる人や、海外で既に5Gが普及している都市に住んでいる人がターゲットになるでしょう。
具体的には、例えばオンラインでパーソナルトレーニングを提供するとします。
5Gの技術が普及していれば、超低遅延で実際に対面でパーソナルトレーニングをするのと変わらないレベルで、オンラインのレッスンが可能になるでしょう。
この場合のターゲットは、日本であれば大都市など5Gが普及している地域に住んでいる比較的若い世代(40代以下)になるでしょうし、海外に働きに入っている駐在員の方やその家族の方をターゲットにするのも良いでしょうね。
オンラインセミナーというのもできる世の中になっているからすごいよね!世界中で同時配信できる。いやー夢が広がりますわ!ワクワク!
— mikiko🇳🇿NZのトレーナー (@mkkoMIX) May 1, 2019
海外在住でパーソナル受けれない人、日本にいるけどパーソナルは敷居が高いと感じてる人、体に悩みがある世界中のすべての人へ。スクリーン上で短期出張サービスします! #はてなブログ
海外に住む日本人必見!オンラインパーソナルが期間限定で…https://t.co/fbzBdZcNNS— mikiko🇳🇿NZのトレーナー (@mkkoMIX) January 5, 2019
↑ニュージーランドでパーソナルトレーナーとして活動されているMikikoさんは、早い段階からこれを形にされていますね。
同じNZ内に住む日本人の方にセッションをしたり、彼女は英語も堪能ですから、NZという南半球の島国にいながら、世界中のクライアントにセッションをできるわけです。
またトレーナーといっても数多くのジャンルがありますが、とりわけ5Gの前期においては、若年から中年の女性をターゲットとしたジャンルがより有効だと考えています。
実はここ近年で、若年層が地方から都会に移り住むケースが非常に多くなっており、その中でも、とりわけ男性よりも女性の方がこの傾向が強くあります。
具体的には九州の地方に住んでいる人は福岡市内に、西日本の地方に住んでいる人は大阪市内に、東日本の方は東京に集まっており、この流れは加速するとみられています。
若い女性は東京を目指すhttps://t.co/fK2ScokGP2 pic.twitter.com/t1zmWSK9R2
— 田端信太郎@Carstay CMO就任!#VANLIFE シーンを盛り上げる! (@tabbata) September 9, 2019
東京に来ている同世代の女性は、
地元でずっと生活していることが逆に怖いという声をよく聞く気がする。
ネットで情報が世の中普及したが、
実際に体験した世界が狭いまま生きていくのはすごい小さい人間になると感じる。
また、女性が生きやすい世の中(都心)になったのが徐々に現れたのかも、、、 https://t.co/pTPyvOluN6— 元気だよフウガ 👨💼 自分自身がどうあるか (@wazzock_4) September 10, 2019
一方で、男性は必ずしもこの限りではなく、若い男の子はそのまま地方の大学を出て地元で就職するというケースも少なくないようです。
こうした流れを見るに、情報感度の高い若年層〜中年層の女性をターゲットとしたジャンル、具体的にはダイエットやシェイプアップ、美容、ボディメイクなどのサービスは、5Gを駆使して提供することと相性が良いと考えられます。
反対に、中年〜高年男性が大半を占めるマーケットの場合、5G時代前期においてあまり恩恵を受けられない可能性が大きいと見ています。
僕の専門であるスポーツ競技というジャンルはまさにその典型であり、現場の指導者やオーナーは、中年〜高年の男性(最近は世代交代の渦中にあり、若いヘッドも増えているものの)であるケースが非常に多く、正直若年女性に比べて情報感度が高くありません。
こうした市場の場合、おそらく5Gの前期においては、5Gを中心としたサービスを「よくわからないもの」と捉えるだろうと予測しており、すぐさまビジネスに転換することは難しいと考えています。
(逆に言えば、5G後期になると、まるで今Facebook に中高年層が興味を持ち流れ込んでいるような勢いで、中高年男性からも5Gの需要が高まると思っています。スポーツ競技なんかが5Gを駆使したサービスを普及できるのは、おそらくこの辺りではないかと予想しています)
■5G時代後期の戦略
5Gの後期になると、今度は一変して情報感度の高い若年層以外の人たちも、サービスを享受する機会が増えてくると予想します。
前期と後期で明確な線引きはないのですが、4Gでいうと、2012年頃からスマートフォンが普及しだし、若年層を中心にSNSが流行っていきましたね。
その後数年をかけて、徐々に中高年層からも興味を持つ人が現れ、今では中高年層は、Facebook上でコミュニケーションを取り合うのが日常化しています。
※付け加えると、SNSなど4Gの土壌で真価を発揮するものたちは、3Gの真っ只中に生まれていました。Twitterは2006年、facebookもインスタも2004年に生まれ、2007~10年の間にテック系界隈の人たちを中心に使われていました。が、中高年の方に普及したのは、その5~7年後。つまり、5G世代で主流になるであろうもののいくつかは、もうすでに出来ていると考えるのが普通でしょう。
このように、徐々に徐々に5Gのサービスも普及すると考えており、5Gの後期になるのは、5年後〜6年後くらいになるだろうと予想しています。
その頃になると、5Gはインフラとして全国各地に普及しており、生活の概念はもうすでに変わっていると考えています。
既述の通り、 通勤通学する必要性は今よりも低くなり、スポーツにおいても、サービスを受けるのに必ずしも現場に行く必要性は今より低くなってくるでしょう。
このころになると、スポーツ競技など中高年男性の関わりが多くを占める市場であっても、5Gをはじめとしたインターネット空間上にもう一つ「新たなスポーツ現場」ができると予想しています。
以前、「スポーツ競技に関わるトレーナーは現場を拠点にすべき」というブログを書きました。
これは、スポーツ現場が最も関わるスタッフ達が顔を合わせやすく、そして本音で語り合える場である、という理由があるのですが、5G時代になると、この役割をインターネット上の「新しい現場」が担ってくれることになるでしょう。
とはいえ、スポーツ競技においては、競技自体はバーチャルではなくリアルの世界で行われるので、インターネット空間で全てが完結することはなかろうかと思います。
なのでスポーツ競技においては、①リアルの現場 ②バーチャル空間、そして必要に応じて③トレーナー自身が所有する(またはシェアする )トレーニングジムなど屋内の拠点、という三つの現場で仕事をしていくビジョンが自然と考えます。
一方で、情報感度の高い若年〜中年女性たちは、この時期になるとすでに新しい次のサービスを求め動き出しているでしょう。
今、ほとんどの若年層が Facebook にログインしていないように、5G前期で主流となり若年層が利用していたサービスは、その後現れる後発の新しいサービスに流れていくだろうと思っています。
トレンドの波は、今でもめまぐるしく変わっていますが、今後はもっともっと加速するでしょうね。
正直、ここまでの動きを完璧に予測して動くのは困難ですが、常に5G時代にどんなサービスが生まれるのか、若年層等はどうした動きを取っているかを観察することが重要になるでしょう。
■まとめ
5G時代を総括すると、3Gから4Gに変わり、スマホが登場し激変していったように、年々新しいサービスが始まり若年層はそれに飛びつき、中高年の世代は数年遅れで乗り込んでいく。その頃には、若年層はまた次の新しいサービスを既に求めている、という未来はほぼ確実だと思います。
私たちはその中で、自分たちのジャンルやフィールドに合わせ、リアルの世界とバーチャルの空間を行ったり来たりしながらサービスを融合させていくことになるでしょう。
さらに言うと、それらのサイクルは今の4G時代よりも早くなると考えられるので、5Gの恩恵を受けたい方は、それらを享受でき、リアルな現場にも移動しやすい場所に拠点を置くと良いのではないかと考えています。
こっそり僕の考えていることを伝えると、ここ最近僕は福岡市に注目しています。
福岡市は全国に先駆けて、スタートアップ企業を支援する形を作り上げており、全国各地からテクノロジーを主体としたスタートアップ企業が移り込んでいます。
街もコンパクトで程よい人口が保たれており、 都会と自然が近く、物価も大都市に比べて安い。
さらに街から空港が近く、新幹線での移動もしやすいので、大阪や東京などの大都市にもアクセスしやすい環境が整っています。
また、中国や韓国との物理的な距離も近いことから、これらのスタートアップ企業とも繋がりができやすく、まさにリアルとバーチャルを行き来するのに最も適した街であると考えています。
もちろんこれは一例であり、他にも海外のいくつかの都市も同時に注目しており、僕の地元である大阪のポテンシャルも、客観的に見ると悪くなかったりもします。
あなた自身の望むライフスタイルと、仕事の仕方、くるべき5Gの時代の流れに合わせて、最適な拠点を構え仕事することをお勧めします。
そんじゃーね!!