今回は、トレーナーやPT向けの英会話の話です。

以前書いた「10年後の理学療法士業界の変化と、個人が準備すべきこと 【定期マガジン #1】」の記事でも触れましたが、これからPTやトレーナーが活躍していく上で、避けて通れないものの一つが「英会話」です。

それを見据えてる学生さんや若い世代は、英語圏への留学も視野に入れているでしょう。

一方で、多くの方はそれまでほぼ日本で過ごしてきたはずで、もちろん英語も話せない。そんな状態で海外に行っても大丈夫なのか?という不安は、あちこちから聞かれます。

今日の記事は、実際に今年の春にアメリカの某大学を現役で卒業し、NATA-ATC(全米アスレティック・トレーナーズ協会公認のAT)を取得した女性から、大学入学前〜現在に至るまでのことをインタビューしたものです。

彼女(Yuさん)のツイッターは以下です。ツイッターでも最近情報発信を始めたようですので、そちらもぜひウォッチしてみてください。

 

Yuさんは18歳まで基本的に日本で過ごし、英語を話せない状態でアメリカへ行かれました。もちろん苦労することも多くあったようですが、多くの方と境遇が似ているため、このストーリーは、学生のみならずこれから英語学習を始めようと考えている、もしくは英語学習を現在進行形で行なっている全ての方の参考になるはずです。

それでは、はじめていきます↓

 

 

 

西川:Yuさん、今日はよろしくお願いします!!

Yu:よろしくお願いします!

西川:さっそく、大学に入学する前から話を聞いていきたいのですが、Yuさんの高校時代の学力というか、英語力ってどれくらいでしたか?

Yu:私が通ってたのは中高一貫校で、中学3年生の時にオーストラリアに2週間通うっていうイベントがあり、学校的にすごい売り出してたので、学校としては英語に力は入れてたと思います。

でも、私は英語好きではなくて、何もやってないというか、周りからは「こいつはダメでしょう」みたいな感じでした(笑)その時はATになろうとは思ってないし、周りも誰も思ってる人はいなかったです。

けど、高校2年生のとき、中学3年生でオーストラリア行ったのがきっかけでした。そこの旅行代理店が、テニスと英語のツアーをやってるっていうことで参加したんですが、現地に行って、アメリカ進学もありかなと思いはじめて。そこから1年間、英語の塾に通いました。ようやく(笑)

西川:アメリカの大学に入るには、その英語力、というか全体的には何が求められるんですか?

Yu:TOEFLですね。私の時は留学斡旋業を通していたので、IBTではなくてペーパーベースのものでした。最初は550点求められると聞かされていたのですが、実際は確か500点くらいでした。

西川:500点っていうのは、足切りラインということ?

Yu:そうです。学校によって違うんですが、私のところは最低ラインで設けてるのが500点でした。あと、高校卒業時の評定平均、これも学校によって違うんですが、私の入った大学は評定3.2以上、あと先生からの推薦状ですね。

西川:TOEFLを実際やってみて、というかTOEFLって初見では白目向くくらい驚愕しますよね(笑)問題も全部英語で、4時間くらい続くし。高校生がやるには、ホントに骨が折れるものだと思います。話は反れますが、この記事を読まれている方は一度TOEFL受けてみるといいと思います。社会人でも初めは白目向いて泡吹くと思います笑

で、それを1年間勉強して、どうでしたか?

Yu:そうですね(笑)でも、合格点までは半年間くらいでなんとかなりました。ちゃんとそれ用の対策をしていれば

西川:TOEFL用の塾とかって色々あると思うのですが、それはどうやって探しましたか?

Yu:留学斡旋業者が、対策のセミナーとかをやってくれてましたね。高校3年生の時は、みんなが塾とか行ってる代わりに、私は斡旋業者の冬季講習で英語を勉強してました。

西川:なるほど。最終的には、TOEFLの点数はどのくらいでしたか?

Yu:最終的には530点くらいでした。

西川:それで、評定などもクリアして、晴れてアメリカの切符を掴んだってことですね。そして、舞台はアメリカに移るわけですが、実際アメリカに行ってみて、どうでした?いろんな面で。

Yu:いろんな面で?w

西川:はいw

Yu:色々とストレスでしたね。最初の3ヶ月は、まず寮生活だったんですけど、寮ついてすぐ寝れるように送っておいたはずの布団シーツとかが届いてなくて(笑)、寮の非常用の布団を自分で借りないといけないみたいな。きた初日からw

そこからのスタートでした。布団が2週間来なくて、その間は毎日インターナショナルオフィスに通いつめて、シーツはどうなってるの?って聞きにいき…

西川:海外だと、そういう細かいトラブルは多いですよね。全部自分で解決しないといけないですし。

Yu:日本人の先輩はいたので頼ることもできなくはなかったんですけど、知り合いがいない状態で行ったので、最初は誰に何を頼ればいいのかわからなくて。履修登録も、アメリカに着いたのが授業が始まる1週間前とかで、ATの授業は4年間決まってる内容をやるだけなので、選択することはないんですけど、それも知らなくて。

アドバイザーもいたんですけど専門じゃなかったんで、私が何を受講すればいいか分からなかったらしく、私も何も分からないので、お互い分からず、間違って履修しそうになったりとかはありました。オリエンテーションが終わる頃に、やっと日本人の先輩と出会えて、やっと履修の手順を教えてもらうことができたのですが、それまでは一つ一つが大変でした。

西川:しょっぱなから苦労しましたね。

Yu:しょっぱなが一番大変でしたw こっちの英語は拙いから伝わらないし、向こうの英語は聞き取れないし。

西川:授業が実際に始まってからはどうでしたか?

Yu:最初の3ヶ月は全く耳が慣れなくて、授業聞いててもついていくのがやっとでした。ボイスレコーダーを持って行って、先生に「あとで聞きたいから録音していいか」って許可をもらって、録音して後から聞き直すっていうスタイルで。授業中は、内容についていくまでの余裕はなかったです。

西川:ボイスレコーダーはいいアイデアですね!僕も含め、割と多くの英語学習者が実践してる手法だと多います。

最初はほぼ聞き取れなかったと思うんですけど、ボイスレコーダーで録音する以外は、英語の授業についていくために、どんなことをしてたんですか?

Yu:あらかじめ授業でやる範囲の教科書は必ず読んでいました。

西川:毎日予習してたってこと?

Yu:はい。予習は毎日、絶対やっておかないと自分が不安で。やっても分からないんですけど。

西川:すごいですね。復習はどんな感じでやってましたか?

Yu:向こうでは、毎回宿題が出てたんです。それをやりながら、教科書とかパワポ見ながら宿題して復習してました。私の行った学校は、なんというか日本でいう中学高校のシステムに近いというのはありましたね。そういう意味では、自分で何かを考えて苦労したというか、与えられたものをやっていって、分からないことを調べていくうちに色々と慣れてきました。

西川:宿題があったのが良かったというか、功を奏したという感じですかね。

Yu:そうですね。

西川:日常生活も最初は困ったと思うんですけど、それも個人的に勉強したことはありましたか?

Yu:寮生活で、留学生もいたり、先輩たちもいてて、その人たちに頼りながら、面倒を見てもらってました笑

西川:なるほど!それで、日常とか授業を通して、ある程度英語の内容を理解して、ある程度喋れるようにができるようになったと思ったのは、だいたいどのくらいですか?

Yu:耳が慣れて、自分が伝えられる、何か話したいなと思えるようになったのが、二学期目、向こうに行ってから4ヶ月後とかですね

西川:結構早くないですか!

Yu:そうですかね?さすがに聞いてるだけじゃダメで、自分も何か話さないとな、と思えたのがそのくらい(渡米して数ヶ月後)だったので…

西川:そこから、話せるようになるのに時間がかかった。

Yu:そうですね。耳に関しては、だいたい3ヶ月くらいで、相手がどんなことを話してるかは、なんとなくわかるようになりました

西川:話すのはレベルというか段階はいくつかあるとは思いますが、なんとなく自分で話せるなと思えるようになってきたのはいつ頃ですか?

Yu:え〜…話せるようになったのは、2年目入るちょっと前…1年目が終わる頃ですかね。

西川:だいたい2年くらい。

Yu:そうですね。

西川:結構、向こうの大学に行かれる人って、2年くらいが目安っていう方が多いですよね。このインタビューを聞いてる方は10代〜30代くらいの世代が多いと思うんですが、語学は10代とか若い人ほど習得するのが早いって言います。5歳児とかがアメリカに行ったら、1年でネイティブレベルになったりするし。けど、今回Yuさんが経験してきた時間軸っていうのは、リスナーの方にも参考というか、いいイメージに繋がると思います。

生活面とかアメリカの文化は、1年2年経った頃には慣れてましたか?

Yu:文化的には、もともと私は気にしないというか、びっくりしても「あ、そっすか」みたいな感じだったんですけど(笑)あ、でも寮生活のカフェテリアが、食事があんまり合わなかったです。

西川:カフェテリアっていうのは、寮の中にある学食みたいなやつですか?

Yu:ですです。食堂みたいな。でも、寮生がごっちゃになって食べれるところなんですけど。美味しくないし脂っこいし、お腹は下すしでw みんな同級生の日本人とカフェで会って、「今日何が美味しい?」じゃなくて、「今日何が食べれる?」って聞いてたのがデフォルトでした笑

西川:あははは!!ハリウッドに出てくるキャンパスライフからは想像もつかないですねw

けど、勉強に追われる生活だったと思うんですけど、休日はあったんですか?

Yu:土日は休みでした。でも自分は何かやっていないと落ち着かないので、教科書読んだり、予習したり。予習が多かったですね。教科書読むにも時間がかかったので。あとは溜まってる宿題をしたり

西川:なるほど。向こうの人間関係とか、同世代とのコミュニケーションとかで悩むことはなかったですか?日本とは国民性とかコミュニケーションの撮り方とかも違うと思うんですが。

Yu:そこに関しては、逆に私は、向こうの方が淡白でラクでした。みんな、嫌なことは嫌っていうし、イエスはイエスだし。自分がそれを言っても、向こうは受け入れてくれるし。逆に自分がお願いしても「No」って言われたらダメなんですけど(笑)けど、それで何か問題になったりとかは無いので、ラクでした。

西川:アメリカって特に、異なる意見とか価値観を受け入れるというか、そんな文化がありますよね。同調圧力が無いというか。

Yu:そうですね。サバサバって感じです。

西川:そのあと、卒業する頃には、英語力はどれくらいになっていましたか?

Yu:う〜ん…インターンの時に学校の外に出て、大学生以外の人とATのことでコミュニケーションをとっていたんですが、それはできるくらいというか。通じないことにも抵抗がなくなったというか笑。英語を話すってことに抵抗がなくなったというのもありますけど。だから、英語力以外にも、ラクにコミュニケーションを取ろうって思えるようにはなりました

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西川:そういう経験をして、英語で大事だなと思うところってありますか?英語学習する時に大事な心構えというか。話す時に心がけることとか。

Yu:あ〜…そうですね…。アメリカ行った1年目は、自分の英語が(相手に)どう聞こえてるのかとか、通じてるのかとか、すごい不安だし、自分も気にしてるからあんまり自分から何かを話そうと思わなかったんですけど。

4年いると慣れるというか、相手に対しても自分に対しても、いい意味で期待しなくなるというか、「これを言って通じなくても、もう一回言えばいいし。なんなら分かんない向こうが悪いし」みたいな(笑)なんというか、あんまり怖くなくなりました。

西川:それは一番大事ですね。

Yu:だからそれを、もっと早い段階で、向こうにいく前からその状態になれていたら、もっと上達してたんだろうと思うんですけど。

西川:振り返って、高校時代とかアメリカにいく前にもしYuさんが戻れるとしたら、これやっといたら良かったなと思うことってありますか?

Yu:なんだろ。ちゃんとネイティブが使ってる英語に触れておけば良かったなと思います。映画とも違うし、何をすれば良いかって言われると今ちょっとわからないんですけど、中高とかだと、教科書のキレイな英語、でもそんなの絶対に使われてないし、意外にそんな難しい文法なんて彼らは話さないし、文法とかでいったら多分中学生レベルだと思うんですけど、スラングとか、使ってる単語とか、そういうのを知っておけば良かったなと思います

西川:僕も聞いてて勉強になりますw アメリカに行って、勉強を学ぶ体験をしたのは、Yuさんにとって良かったですか?ぶっちゃけ、アメリカ行って良かったと思う?

Yu:それは絶対良かったです。視野が広がります。日本の良いところも悪いところも。アメリカの良いところも悪いとこも、色々見れたと思います

西川:素晴らしいですね。何が自分にとって良いのかは自分が決めることですけど、見聞を広げることが大事ですね。今日はありがとうございました!

Yu:こちらこそ、ありがとうございました!

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インタビューは以上になります。

Yuさんの実体験を聞いて、僕自身も勉強になったことが多かったですが、常にYuさんが自発的に英語と向かい合い、何かしらアクションし続けていたことが感じ取れました。

よく、「ただ海外に留学するだけでは英語を話せるようにならない」と言いますが、まさにその通りで、どんな形でも毎日英語に触れながら、方法を試行錯誤しつつ進んでいった結果、話せるようになった、というのは、非常に参考になるかと思います。

英語学習の具体的方法や現地での実生活は、 Yuさんのツイッターで発信されていくそうなので、リアルな部分を知りたい方はぜひフォローしてみてください。

9月の中旬ごろには、西川自身が英語学習を勉強してきた道のりや具体的な手法などもnoteで紹介していこうと思っています。

そんじゃーね!!