このnoteでは、ここ最近ネット上で起こっている「情報のクローズ化」に対する僕の考察と、情報発信する側の人はどのようなスタンスで今後発信するのがベターなのか、僕の考えをまとめたものになります。
有益な情報を持ってる人がどんどんクローズの場で発信するようになってると感じる。オンラインサロン、有料note、公には募集してないコミュニティ。僕もそれらを運営してますが、本当に有益な情報はそちらに集まってる。
良い情報=タダという価値観の人は、ますます情報格差の波に飲まれるだろうな。
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) July 28, 2019
完全にコレですね。特に本当に大切な営業の話、ビジネスの最前線の話、現場現物のリアルな経験値の話は本やオンラインでは絶対に出てこないですからね。情報や経験の格差は広まる一方ですね〜(^^)ノ #ザ法人営業 https://t.co/9Y9MwI9Tqk
— Koichi Sugimoto / 豊かな社会を創るザ法人営業 (@koichi2905) July 28, 2019
情報発信を始めたい方、始めて間もない方、発信を頑張ってるけど伸び悩んでる方は、見ていただくと何かしらのヒントをつかめるかもしれません。
では、さっそく始めていきましょう。
■はじめに
簡単に、最近ネット上で見られる「情報のクローズ化」についておさらいしていきます。
facebookのお偉いさんや、どこぞのお偉いさんが口を揃えて言ってるのが、「これからのSNSはクローズ化していく」という話。
Twitterがいい例ですが、今のSNSは多種多様な人たち(という表現ではぬるいくらい)が一つのプラットフォーム上に混在していて、前提条件や背景がまったく違う、まったく異なった意見を簡単に見ることができている世の中。
それは知らない視点を知ることができ、見聞を広める良い点もありつつ、しかし前提条件が違いすぎる人からの絡みや、いわゆるクソリプなど、主に発信者にとって精神衛生上良くないことも多くありました。
そこで、日々発信してる方は、「同じ前提に立って話ができる人たちだけ」のクローズのコミュニティを作り、有料化したり紹介制にしたりして様々な壁を作りつつ、その中で有益な情報を発信していくようになりました。
オンラインサロンや有料noteなんかがそのいい例ですね。
で、僕の肌感覚なんですが、こうした「情報のクローズ化」が、ここ半年くらい(いやもっというとここ数ヶ月くらい)めっちゃ加速してるように感じるんです。
■オープンな場に、マジで有益な情報が出回らなくなった
以前から、情報のクローズ化を進めてる人は少なくなかったとは思うのですが。
それでもTwitterのTLなどを眺めてると、「あ、この人しれっとツイートしてるけど、めちゃ良い情報言ってくれてるやん」という場面が結構ありました。
が、ここ数ヶ月はそれがめっきり減ったと思うんですよね。肌感覚なんですが、確信に近いレベルで。
しかも、OPENな場所だと、バカが揚げ足取りで、ギャーギャー騒ぐからさ。 https://t.co/cHfFyt0frp
— 田端信太郎@Carstay CMO就任!#VANLIFE シーンを盛り上げる! (@tabbata) July 28, 2019
では、これまでガンガン表の場で発信されてた人たちは、発信をやめちゃったの?っていうとそんなことはなくて、ちゃんと有益な情報を変わらず( むしろ、さらに質のいい情報)発信されてるんですよね。クローズドな場で。
僕自身は入会しているサロンなどもありますが、そうでなくてもTLなどで、サロンメンバーとかコンテンツ購入者の、「今回のメンバー限定のライブ配信、めっちゃ有益でしたわ!!」みたいな声が日々届いてきて。
あぁこの人もクローズ化してきたか、あぁあの人もか…と、一人また一人、日々発信をクローズ化してきてるのを感じます。
で、もっと言うと、このクローズ化というのが、何重にも深くなってきてるのが、ここ最近の一番の特徴だと思っています。
■クローズの中のさらなるクローズ化。深い海。
これまでオープンの場で情報発信されてきた方は大まかに、
(無料)結果を根拠にしたWhat、why:何をすべきか、なぜすべきか→(有料)How to:実際のやり方
という区分けをされてきたように感じます。
例えば「ダイエットには筋トレが良い!」と発信する場合、
①無料のSNSやブログなんかで、筋トレとは何か?なぜ筋トレがいいのか?というwhatやwhyを主に発信→興味を引いたり「もっと知りたい!どうやるの?」と思ってもらう。
②具体的なHow to(方法論)を有料で、対面なり動画なりテキストなりで伝える
というのがポピュラーなやり方で。
そしてこの中には、発信者の実績(この場合、筋トレで痩せた結果や過去に何度か失敗した結果)なども合わせて発信することで、whatやwhyにより説得力が生まれ、対象者を集めることができていました。
ある意味、ひと昔流行った情報商材なんかも、こうした動線を意識していましたね。
しかしここ最近、これがガラッと変わってきてるな〜と感じてまして。
具体的には、
(無料)その人のストーリーと出した結果→(有料、半クローズド)How to→(有料+クローズド)How to+サポート
みたいな流れになってきてるんじゃないかと。
さっきの筋トレを例にすると、
①無料のSNSやブログなどでは、筋トレ挑戦します!→失敗した→ちょっと痩せた→また失敗、心折れそう→なんとか頑張って痩せた→うまく行った!という、失敗も成功も過程もその人の人間性も全て含めたストーリーを発信
②有料noteやline@などの半クローズの場で、実際にどうやって取り組んだのか?のHow toを伝授
③さらにクローズドな場(後述)で、より詳しいor個別のHow toを伝授+個別サポート
みたいなイメージです。
つまり無料のSNSなんかでは、「what:何をすべきか?」「why:なぜすべきか?」という、ある意味一方的に煽るやり方はあまりせずに、自分自身のストーリーを交えて失敗する過程やうまくいった結果のみをシェアする、というスタイルが主流になってきつつあります。
そして、このシェアが共感を呼び、その人のファンになったり紹介する商品を購入するといった行動を取っていくわけですね。
↑これはけんすうさんが書かれた、SNS時代のマーケティングに関する記事です。ここにも、今の時代はストーリー、シェア、「エモい」など、通じる言葉が並んでいますね。
で、話を戻すと。
この「情報のクローズ化」は、一つではなくもっと深い、少なくても4つくらいになってると僕は感じています。
僕の脳内では、こんなイメージ。なんとなくイメージつくでしょうか。。
レベル1:有料化
レベル2:有料化+審査制(または紹介制)
レベル3:有料化+その中の一部のみ
レベル4:公募なし、完全クローズド
↑いうまでもなく、深くなっていくほどクローズ度は増し、コミュニティ内は密な繋がりかつ少人数、そして交わされる情報も有益です。
一つづつ解説していきますね。
1.有料化(半クローズ)
さっきの筋トレの例でいうと、「痩せる筋トレで私が実践したのはこんな方法ですよ!そのためにはこの知識も知っといてね!」みたいなHow toを、有料noteやオンラインサロンなど、半クローズの場で発信するのが、ここに該当します。
半クローズというのは、お金を払ったり一定の条件さえ満たせば、誰でも入れる場所のことで、僕が先日書いたnoteや、今回のnoteもこれに当たりますね。
先日のnoteは、売り上げとしては100部ほどだったので、金銭的メリットはそんなに大きくはなかったのです。
が、それよりも半クローズの場で発信することで、明らかに本音かつちゃんとした情報を書けました。
おそらく見てくれた方も、100円以上の価値は感じていただけただろうと思ってます。(どやろうか?)
つまり、こういうことですね。
有料の壁=ペイウォールは値段やお金儲け以上に、設けることによる心理的ハードルの設定にこそ価値がある。
一種の選別が可能であり、お店が扱う商品で敷居を設計するように、情報発信にもまた敷居の設定が大事になってくる。 https://t.co/HTmYQThmGB
— ヤマシタ マサトシ (@OFFRECO1) July 28, 2019
このレベルには多くの場合、「お金」が通行手形となるわけですね。
2.有料+審査制(or紹介制)
①の「有料化の壁」は、100円であっても明らかに「冷やかし」などは少なくなり、有益かつ本音の情報が出しやすくなるものでした。
とはいえ、有料にするだけでは、値段がいくら高かろうと「金さえ払えば誰でも得られる情報」であることには変わりないんですよね。
そこで、今「情報のクローズ化」に進んでる人は、次の手段として、お金+なんらかの制限を設けたりしてます。
具体的には、オンラインサロンなんかで、月会費〇〇円+運営者の審査ありとか、既存会員の紹介のみOKとか、定員◯名まで、みたいな感じです。
最近色々と言われてる「信用スコア」が、ここで絡んでくるわけですね。SNSのフォロワーが一定数以上でなければ参加資格ないですよ〜みたいな。
ここまでくると、情報を得たい側は結構な熱量を持ってアクションするでしょうし、そうでない人は見にこないか、希望してもはねられます。
そして発信者も、よりヒソヒソで有益な情報を届けられるメリットがあります。この段階になってくると、オンラインであってもお互いの身元がわかる、人対人の健全なコミュニケーションが生まれてくるということですね。
余談ですが、僕自身も表には公募していない有料コミュニティを運営しています。
これは、トレーナーやスポーツPT向けの有料コミュニティなのですが、基本的に公募はしておらず、有料の壁+審査制という、「お金を払ったからといって、誰でも入れるわけではない」スタンスを取っています。
まさに、この②の段階ですね。
(このコミュニティに関しては、近いうちこの有料定期マガジン内で公募していこうと思っています。が、有料+審査制というスタンスは変えないと思います)
このレベルへは、「お金+信用」が通行手形になるわけです。
3.有料化+その中の一部のみ
②よりも、さらに高い水準の情報発信をするために、有料化で区切ったコミュニティや視聴者の中から、ある一定の水準を満たした「選ばれしものの集い(笑)」的なクローズドの中のクローズドコミュニティが、もうすでに回ってたりします。
ここは、2の制限されたコミュニティでさらに成果をあげた人や、特定のジャンルで飛び抜けて成果が出てる人だけが情報交換し合う場。
田端さんのオンラインサロンは、たとえば将来的にはグロービスが競合になるのかな、と話していた。そんな感じのビジネス塾です。
渋谷のコワーキングスペースが使えるのもすごいし、
MVPをとると、
・会費が今後無料
・MVPの人だけの裏サロン&メッセグループに招待
という驚きも。 https://t.co/o7j7KSOiVV— しょうのまい | 獣医師・イベント運営 (@MaiShono) July 30, 2019
例えば、田端信太郎さんが運営されている「田端大学」というオンラインサロンでは、サロン内で月ごとのMVP制度というのがあるそうで、歴代MVP受賞者だけが参加できる「裏サロン」なるものがあるのことです。
こうしたのは、まさに③「有料化+その中の一部のみ」に分類されますね。
いうまでもなく、ここまで深くクローズ化されたコミュニティだと、情報の質はめっちゃ高いだろうと予想できます。
そして、「選ばれしものでないと理解し合えない情報」「限られた人しか知り得ない情報」だったりするので、外に出回ることもありません。
発信側も受信側も、本音で建設的な意見交換ができる場になります。
ここへの通行手形は、「お金+信用+実績(もしくはより強い信用)」となります。
4.公募なし、完全クローズド
これは、これまでの①〜③とは少し毛並みが違い、ある意味大昔からあったクローズドのコミュニティ、言い方を変えると「コネ」とも言えます。
ほんとに限られた身内や、特定の人たちだけで成り立つコミュニティで、身近な話だと、昔は隣のおばちゃんに頼んで醤油もらったり、余った野菜を差し入れしたりみたいな関係がよくありました。
こうしたのも、ある意味「完全クローズドのコミュニティ」ですね。
これが現代版になると、モノだけでなく情報をシェアし合ったり、乗り物や家をシェアすることケースだって出てきています。
今はシェアリングエコノミーの時代と言われますが、仲間内で車や家をシェアしたり、大ぴらにしたくない情報交換をしたり、信頼できる人材を紹介しあったり。
日本に新しい拠点ができました👍
とある別荘地なのですが、使用頻度が低いことから格安で使わせていただくことに。国内にいるときは、自宅とここの二拠生活にします。町にも海にも空港にも近く、山間で周りに雑音が全くない。控えめに言って最高です😭
やっぱ環境は自分で作るもんですわ。 pic.twitter.com/DLbVCLM6aB
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) August 1, 2019
ちなみに、僕の↑ツイートの新しい拠点も、完全クローズドのコミュニティからシェアさせてもらっています。
最近はこうしたのを「小さな経済圏」と呼んだりもしますが、もうすでに知らないところで形になってきてるということですね。
この段階になると、通行手形は「圧倒的な信頼関係」で、お金ではなくなってきます。
■僕たち一個人が取るべきスタンス
個人的には、こうした一連のクローズ化の流れは健全で自然な流れだと思ってます。
今はインフルエンサーと呼ばれる方達が動いてるくらいですが、今後はみんなそうなっていくだろうし、僕くらいの規模の発信者でも、そうなっていくでしょう。僕もその予定です。
ここでのキモは、いい情報を得たければ得たいほど、前提としてお金、そして信用(あるいは実績)が必須になる、そんな世の中になっていくだろうということです。
お金はいうまでもなく必要で、払わないと「ライトな有益情報」にすらありつけなくなる。
そしてもっと深い情報を得たいならば「信用」が必要になるのですが、その前提となるのが「その人自身も発信者であること」だと僕は考えています。
つまり、日々ネットやリアルの場でしっかり発信をして、SNSフォロワーなどで形として可視化されている人ほど信用されやすく、より深い情報交換がされるコミュニティに招待されたり、希望するとすぐに仲間に加えてもらえることになり、結果良い情報も得られるようになる、という流れです。
先の①〜④の話を繰り返すと、深いコミュニティになるほどビジネス色は薄れていき、プライベート色が強くなっていきます。
なので、特に③や④のような深いクローズドになればなるほど、運営者やメンバーはお金を求めていないんですよね。
代わりに、今までのメンバーたちにはない情報や利益をもたらしてくれる存在である必要が出てくるので、自分自身がそれを発信しているのが必須条件になります。
やや難しい言い回しになってしまいましたが、こうした流れの中で一個人が取るべきスタンスは、
・「お金」と「信用」を同時進行で貯蓄していくこと
・信用の貯蓄のために、日々発信すること
・発信側としては、「情報のクローズ化」を進めること
・「情報のクローズ化」を、いくつかの層に分けて運営すること
だと考えています。
情報発信のカタチは、日々変わっていて、今後数年はこうした流れがもっと加速するだろうなと予想しています。
幸い今の時代は、この有料noteやオンラインサロン、自社ECサイトなど、個人が「情報のクローズ化」簡単に作る土壌は揃っています。
それらを活かして、有益な情報交換ができるようにしていきましょう!
それではまた!