どうも、西川 @physio_tennis です。

前回、今、密かに取り組んでることの前編を書きました。

同時進行してる取り組みはいくつかあるのですが、一つ一つが濃いので長文になってしまい、残りを後半に書くことにしました。

引き続き、note記事という「お金を払えば手に入れられる、半分クローズ半分オープンの情報」として、ギリギリ出せるラインまでを書いています。note内であっても、奥の奥、言えないところは当然ながら伏せていますが、ご容赦くださいせ。

それでは、始めます。

このラインより上のエリアが無料で表示されます。

■クラウドファンディング

今回の記事の本題です。

僕は今、本職ではないのですが、クラウドファンディングに挑戦しています。

もともと、幕末のジョン万次郎の大ファンなんですが、先日、休暇を利用して彼の生まれ故郷(土佐清水市)を訪れたんですね。

で、このときジョン万次郎の生家がかなりダメージを受けていて、地元の人が言うには「修繕が必要な段階だけど、自治体にお金がない」ということがわかりました。

で、その少し後にニューヨークに行く用事があり、ジョン万次郎の育った故郷であるマサチューセッツ州まで足を伸ばして、向こうでも色々と話を聞いて来ました。

(その時のエピソードは↓のnoteにまとめてます(無料)ので、ぜひ読んでみてください)

で、こうした成り行きを経て、一度クラウドファンディングをやってみようと思い立ちました。

■クラファンは、PTやトレーナーは絶対トライすべき

結論から言うと、クラウドファンディングは「何かやりたいことがある方」は、絶対に経験したほうが良いと思います。

正直僕は、企画を練った段階では、「クラファンって、なんかしらリターン用意して、寄付金募るくらいのもんやろ」って思ってたのですが。

動けば動くほど、僕らPTやトレーナーにもっとも欠けている(それでいて必須な)社会構造や経営的観点を肌感覚で学ぶことができるものだと気がつきました。

例えば、今回の場合ジョン万次郎の生家を修繕したい!という、割とソーシャルグッドな内容にトライしたわけですが、肝心の生家は公共物であり、そこに手を加えるとなると当然ながら市の許可が必要になります

さらに、クラウドファンディングの大半は何かしらのリターン(ふるさと納税でいう返礼品のような)を設定するのですが、今回はあらかじめフォロワーの方に「どんな返礼品が欲しいか?」というアンケートを取った結果、地元の特産品が欲しいという声が一番多かったんですね。

で、これまた当然ながら、僕は地元民でもなんでもないので、土佐の特産品の販路なんて持ってないし、勝手に売りさばくわけにはいかないわけです。

そうなると、地元の業者や漁業組合なんかにもお願いして、チームとしてを組むことになります。

このように、クラウドファンディングは目標達成のために、いろんな個人や企業を巻き込んでチーム化し、進めて行くプロジェクトです。

その中心というか発起人として自分が関わる立場になれば、いやでも社会構造や自分の立ち振る舞いを考えていくことなるので、身を以て社会勉強をするにはこれ以上ない取り組みと言えるでしょう。

■スポーツ業界の「お金の課題」を解決できるかもしれない

今回、本業と関係ないところでクラウドファンディングをしているわけですが、これは本業に大いに活きるというか、今のスポーツ界にはびこっている問題を解決する手段になり得るとすら思っています。

シンプルにいうと、今のスポーツ界にはびこる一番の問題は、お金です。

例えば、

・学校の部活でも、顧問は外部コーチに委託したいがお金がない。

・選手は遠征に出たいが、個人が負担することには額が大きすぎる

・協会側も育成やシステム構築に力を入れたいが、お金がないため人材が集まらない

・トレーナーやPTは、現場側にお金がないためボランティアに甘んじている

これらは全て、お金が根本的な問題になっています。綺麗事ではなくて。

で、今まではこの構造を解決することは誰にもできておらず、プロスポーツですらスポンサー企業に営業して回るしかなかったわけです

※まあ、そのスポンサーも最近はつきにくくなっているのですが…当たり前ですよね、日本企業は今どこも大変ですし、お金出すメリットがないですからね。

(画像 指導者がスポンサーを取ってきて、そのお金で回す)

ですが、クラウドファンディングをすることによって、スポーツ業界にお金が回る新しい仕組みができると僕は考えています。

例えば、今までは学校の部活をサポートする場合に、学校側が「ウチにはお金がないから、君にフィーを渡したくても払えないんだよ…」という現場がほとんどでした。

が、極論すれば自分のフィーをクラウドファンディングで集めたっていいわけです。こうこうこういう理由で、学校にはお金がない、けど選手の怪我を無くして、地元のスポーツを盛り上げたい!!だから活動費をください!みたいな。

同じように、民間のサッカークラブやスイミングスクールなんかにトレーナーとして活動するとしても、かかる経費やフィーをクラウドファンディングで集めていいわけです。

そこで例えば、そのクラブの無料体験や自分自身のトレーニングセッションなんかをリターン(返礼品)として設定すれば、クラブの宣伝もできるので、民間のクラブからすると「タダで宣伝してくれる存在」になります

もちろん、あなたのセッションを受けたい!と思っている人なら喜んで支援してくれるでしょうし、あなた自身も、現場側も、選手側も、全員がwin-win-winの状態を作ることができます。

ちなみに、クラウドファンディングは、今回僕が取り組んでるソーシャルグッド(震災復興のような社会的意義のあること)がよく取り上げられるので、「自分がやりたいってだけでトライしちゃダメなんじゃないかな…」という考えもあるかもしれません。

が、実際クラウドファンディング最大手のCamp fireは、月間500ものプロジェクトを運用していて、そのほとんどが「個人がただやりたいだけのもの」だったりします

(例えば、家にあるマヨネーズに貼るためのシールを作りたい!みたいなプロジェクトもあったりします笑)

実際、同社の代表である家入一真氏は、「意識高いもの、志高いもの、かっこいいものでなくてもいい」と言います。

↑この記事にあるように、「お金がないという言い訳をなくす」ためのツールは、クラウドファンディングをはじめたくさん出てきています。

なので、トレーナー活動で資金がなかったりフィーが得られない構造でにっちもさっちも行かない…という人は、クラウドファンディングをやらない手はないかなと思っています。

金銭的リスクはないが…

じゃあ、なんでもかんでもクラウドファンディングで「お金ちょーだい!!」と言っていいかというと、そうでもなく。

確かに、やりたいことのためにお金を集めて、その中から経費を出すわけですから構造上金銭的なリスクはありません

が、クラウドファンディングは決して「金のなる木」ではなく、いわば「信用を担保にお金を借りるツール」なわけです。

「クラファン=信用→お金という流れが具現化されたもの」として考えると、そもそも信用がない状態では、クラウドファンディングをやってもうまく資金が集まりません

例えば、SNSで日々発信をしていて根強いファンがいるとか、クラウドファンディングを企画してリターンの手配などを一緒に考えてくれる仲間がいるとか、そういう所です。

たった一人でプロジェクトが進むことはあり得ませんから、普段からなんらかの形で他人にギブをして、信頼を得ている必要があります(クラウドファンディングのために他人にギブしろ、ということではありませんが)。

あとは、例えばお返しのリターンの手配が滞ったり、いただいた資金の使い道をハッキリさせなかったりなど、誠実さに欠けたことをしてしまうと、担保にしている信頼はなくなってしまいますので注意が必要です

クラウドファンディングをしたい方へ

実際にクラウドファンディングにトライしたいという方は少なくないでしょう。

僕もまだ道半ばですが、実際トライしてみて、クラウドファンディングに挑戦するために大切なことをつらつらと書いていきますね。

1.SNS上で普段から発信しておくこと

これは既述の通りです。

普段から無料で発信できるSNSを使って、フォロワーやファンを増やしておくことが大切です。

クラウドファンディングであなたを支援してくれる人の割合は、

あなたをすでに知っているファン:4割

ファンの友達や仲間:3割

全く知らない人:3割

と言われています。

あなたのファンは、SNSというツールを通してファンの仲間に拡散してくれるので、大元となるファンやフォロワーがいるかどうかで、プロジェクトの成功は左右されます。

なぜSNSなのかというと、クラウドファンディングでの支援はwebサイト上から行うので、SNSからが一番アクセスしやすいからです。(例えば、テレビCMを見て「面白そう!」と思っても、そこからネットで検索して支援する、というのは少々ハードルが高いので)

2.リアルの場でも、自分に協力してくれる仲間を作ること

これも既述の通りですが、プロジェクトを始めるに当たってチームを編成できないならば、やめておいた方がいいでしょう

僕自身クラウドファンディングにトライして思ったのですが、想像以上に多くの作業が必要となるんですね。

例えばリターン一つにしても、もうすでに販売されている商品(何かのグッズなど)を設定する場合、その販売業者と連携する必要が出てきます。あるいは、トレーナーの活動費として資金を集めたいのであれば、その現場(チーム)の協力は当然必要でしょう。

僕はこれらに加え、「webサイトの記事を作る」「告知用のポスターのデザインを作る」「PR動画を作成・編集する」などの作業を、それぞれ得意な仲間たちにお願いしました

全てを自分でやるのではなく、むしろ自分の取り分は少なくなっても多くの人を巻き込んで進めることが大切です。

(ちなみに、今回の僕のプロジェクトは成功しても僕に一円も入ってきません!!あ、ポスターとチラシの印刷代だけは入ってきますが。好きでやってるからいいんです笑)

3.クラウドファンディングは準備が全てだということ

さて、先に述べた通り、クラウドファンディングは最大手のキャンプファイヤー一社だけでも、月間500件のプロジェクトを行なっています。

そして、その中には当然、上手く資金が集まっていないプロジェクトも多いです。

これは、例えSNSのフォロワーが多くても、また有名人であっても、ただ「クラウドファンディングやりま〜す!」って言うだけでは資金は集まらないんですよね。多分、それで上手くいくのはホリエモンくらいです。

反対に上手くいっているプロジェクトは、発起人が有名人やインフルエンサーでなくても、サイトを細かく作ったり、事前にPRしたり、多くの企業と組んで魅力的なリターンを用意したりと、周到な準備をしています。

ちなみに僕は、クラウドファンディングに関わらず「物事のほぼ全ては、スタートした時にすでに上手くいくか決まっている」と思ってます。

え、そこまでやるの?めんどくさくない?みたいなところを乗り越えて、妥協なく準備できた状態でスタートできると、8割成功しているようなものです。

ぜひクラウドファンディングに挑戦する人は、準備をしっかりやって見ましょう。

4.SNSだけではなく、リアルの場でも拡散できるよう動くこと

先ほどは「SNSが重要」と言いましたが、矛盾するようですがリアルの場でもしっかり動くことが大切です。

例えば僕の場合、「ジョン万次郎の生家を直したい」というのが今回の目標なわけですが、リアルの場でもプロジェクトの存在を知ってもらうような工夫・アクションをたくさん取っています。

具体的には、彼の生家がある土佐清水市は観光地として有名なので、クラファン用のポスターとチラシを作成して、各旅館やホテルに置かせてもらっています。また同市にはジョン万次郎の資料館があり、そこにもお願いして置かせてもらっています

他にも、幕末史繋がりで高知市にある坂本龍馬記念館にも置かせてもらう予定になっており、このように繋がりある場所にどんどんPRしていくことも大切です

もちろん、これにちなんで、関わる人たちに挨拶に行く必要も出てきます。労力はかかりますが、このようにリアルの場でできた繋がりは、その後もチームとして新しい取り組みができたりするので、大事にしたいです。

■「お金が回ってない」を理由に無償ボランティアに甘んじるのは言い訳

クラウドファンディングの取り組みはこんな感じですが、僕はこの件を通して、「あぁ、もうお金がないからっていうのはどのジャンルでも言い訳やな」と強く思いました。

例えば、PTはトレーナー活動をする上で、大半はボランティアで活動していると思います。が、その中で「ボランティアでずっとやりたい!」と心底望んでる人がどのくらいいるでしょうか

本当はみんな、仕事としてお金をもらって頑張りたいはず。そのスポーツに熱心であればあるほど、そう考えるのが自然ですよね。

しかし現状、現場側にお金がなかったりして仕事にしたくてもボランティアに甘んじているのが現状のように思います。

けれど、クラウドファンディングのように日々テクノロジーの進化によってお金の問題は解決されるようになっています。

それをうまく使いこなすかどうかは、自分次第。

トレーナーやPTは専門スキルだけでなく、ビジネスリテラシーやITリテラシー、webで発信することによる信頼関係構築などを積極的にやっていくことが求められているでしょう。

そんじゃーね!!