こんにちは、西川です。

今回は副業のお話です。

スポーツ分野で活動したい、それを仕事にしていきたいと考える PT やトレーナーの方は多いですが、一方でコネもなく、実力もなく、経験もない場合、 いきなりフリーで活動することは難しいのもまた事実です。

なので、多くの方は、医療機関などに勤めながらトレーナー活動をしたり、 何かトレーナー活動に繋がる副業をして、スキルを磨きながら、チャンスを待っているというパターンが多いのですね。

これらの戦略は、効果的だと僕も思います。実際僕も、 病院で働きながらトレーナー活動をしたり、 それに繋がる(と自分で思っていた)ような副業を経験してきました。

また独立してからも、 本業のトレーナー活動以外にさまざまな副業にトライしてきました。

その経験も踏まえ今回は、スポーツ分野で将来仕事をしていくことを前提として、どんな副業をやるべきか、どんな副業をやるべきではないかについて解説していきたいと思います。

(言わずもがなですが、「やるべきではない副業」は、ことスポーツの仕事を見据えた上での話ですので、副業としての良し悪しは別問題であることはご理解ください)

それでは始めます!

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■スポーツとの相乗効果が期待できる副業

 

将来のトレーナー活動を見込んでやるべき副業は、「トレーナー活動で将来必要になりそうなスキル」が身につく副業であることが前提です。

ではこのスキルとは具体的に何を指すでしょうか。

スポーツ現場で仕事をしていて重要だと思うスキルを羅列すると、

・現場の空気や雰囲気をコントロールする力

・わかりやすく丁寧に説明する力

・トレーニングや治療など、 できるだけ短時間で起承転結を持って行う力

・相手の心に響く言葉を選択できる力

・アドリブで話し続ける力

・相手をやる気にさせる力

・現場のニーズを把握する力

ざっとあげてもこれくらい必要になります。

そしてこれらを満たす副業が以下になります。

①非常勤での整形外科クリニック

 

整形外科クリニックでの仕事は、上に挙げたほぼ全ての要素を満たす仕事です。

実際、多くの医療機関での仕事がある中で、 唯一整形外科クリニックはスポーツ現場で求められるスキルと類似していると感じています。
(ぶっちゃけ、病院でのスポーツリハビリよりも、外来の整形外科クリニックの仕事の方がスポーツ現場のそれと近いと感じます)

整形外科クリニックでの仕事が、他の医療機関の仕事大きく違う点は、「患者(クライアント)があなたのサービスを受け続けるかどうかの権限を持っている」という点です。

多くの医療機関、例えば病院でのリハビリや訪問リハビリの場合、対象者が入院患者であることが多いため、言い換えるとこの状況はあなたがサービスを提供する対象者が常に職場に待機している状態なので、クライアント側には「サービスを受けたい→受けに行こう」というプロセスはありません

しかし、 外来での整形外科クリニックの場合、初回のあなたの対応が良くなければ、 次回からクライアントは「あなたのサービスを受けに行かない」という選択肢を持っています

そのため外来整形外科では、初回の自己紹介から決められた時間内に、 ある一定の信頼関係をクライアントと気づく必要があります。

たとえ、治療やエクササイズを指導して即時効果が出なかったとしても、クライアントにとって伸び代を感じたり、 あなた自身を信頼してくれるようになれば、2回目以降も続けて受け続けてくれます。

さらに外来整形外科の場合は、多くは一単位(20分ほど)の時間で、これらをする必要があります。

これは、それなりの緊張感がありますし、 この緊張感はスポーツ現場のそれと類似しているように僕は感じます

また短時間で捌けるということはかなり重要な要素であり、スポーツ現場でもかなりの短時間(10分程度)での対応を迫られることは少なくありません。

短時間で対応することができる人が、必要性に応じて長い時間にコントロールすることは可能ですが、普段から長い時間をかけてクライアントを見ている人が、いきなり時短して質をキープするということは、基本的にはできません

素早く起承転結をつけるスキルを磨くという意味でも、 外来整形外科での仕事はうってつけのように思います。

(逆に言えば、スポーツ現場でも常に「可能な範囲で短時間かつ質をキープしてサポートする」癖をつけるといいでしょう)

なお、外来整形外科での仕事は、スポーツ現場での仕事と両立させることも可能です。

僕が PTが独立するにあたって推奨しているのが、まずは医療機関で働きながら空き時間でトレーナーの仕事を増やしていき、それなりにトレーナーの仕事が増えてきた段階で、医療機関での仕事を非常勤に切り替える、という方法です。

この非常勤に切り替えるというタイミングで、外来整形外科を選択しつつスポーツ現場の仕事を増やしていくというのは、とても効率的で相互作用のある働き方だと思います。

②動画配信(youtubeなど)

これはスポーツ現場の仕事と違い、主にインターネット上での情報発信となりますが、 数あるネットの副業の中でも動画での発進は、非常にスポーツ現場の仕事に 必要なスキルと酷似していると感じます。

 

このnoteを呼んでいる多くの方が、各種SNSで情報を集めていると思いますが、その中でもYouTubeやTwitter、インスタのライブ配信など、動画媒体での発信を目にすることは多くあると思います。

彼らの発信を見ていると気がつくかもしれませんが、視聴率の高い動画や、登録者数の多い人たちの発信は、何か引き込まれると言うか、分かりやすく説明できたり、聞き手の感情を揺さぶるような話の仕方がとてもうまいですよね

反対に、動画を見てもすぐに飽きて消してしまったりすることもあると思いますが、 こういったすぐ離脱したくなる動画の多くは、引き込まれるような魅力的な話し方があまり得意でなかったりします。

僕自身もYouTubeで投稿したりTwitterライブで話をしたりするのですが、これらの「人の感情を揺さぶる(高める)」スキルは最初から身についている人は少なく、日々発信を繰り返していくことでそのスキルが向上するものだと感じています

つまり、冒頭に挙げたようなスポーツ現場で活きるスキルは、 動画で発信することによって磨かれるということになります。

特に昨今では、心地よいテンポで話をしたり、難しいことをできるだけシンプルに伝えたりする能力が求められるので、ノーカットのライブ配信なんかはこれらのスキルは身につける上で非常に効果的です。

一方で動画配信の場合、即金性が低いというデメリットもあります。

仮に YouTubeの場合、チャンネル登録者数が1000人以上でなければ広告収入は得られませんし、登録者数が1000人程度では月の収入は数百円にも満たないレベルでしょう

Twitterやインスタライブも同様で、ライブ配信そのものが収入源になることは現在のところありませんから、それ自体が売上につながるという考えはしない方がいいかもしれません。

(とはいえ、未来的には多くのSNSでライブ配信と投げ銭機能が紐つけられる可能性が高いので、即金性が低いと言うデメリットは近い将来なくなるとみていますが)

↑インスタは今後、 ライブ配信に投げ銭機能が追加されると言われています。Facebook社がリリース予定の仮想通貨リブラと紐つけられることによるものですが、中国のSNSなんかではもうすでに投げ銭機能が実装され、多くの人に使われています。

フォロワーに有益な情報を提供できる人は、それ自体で稼いでいく事もできるようになるでしょうね。

(というか、中国語できる人は、中国SNS使えば今すぐライブ配信で稼げます)

しかし、現時点の日本でYouTubeの配信やTwitter、インスタのライブ配信を通して収益を得たいのであれば、自社商品を作り、日々の動画配信と紐つけて提供する(例えば僕の場合では、このノートのマガジンなども含まれます)ことによって収益を得ていく方が現実的でしょう。

この手法は、話すスキルのみではなくマーケティングスキルも磨かれるので、自分の力で稼ぐ力を身につける基礎にもなるかと思います。

③ブログ

ブログは前項のTwitterライブ配信やYouTubeと同じく、主に「伝えるスキル」を磨くことができます。

基本的に何かを相手に伝える場合、対面→動画→音声→文字の順に伝わりやすく、また心に届きやすくなりますが、先にあげた動画よりも文字媒体であるブログの方が、相手に伝えまた心に響く物を提供する難易度は高くなります

しかし、話すことが苦手な人にとってはブログの方が伝わりやすい場合もありますし、文字媒体の記事であれば、 細切れの時間を使ってちょっとずつ読むこともできます。元々動画を見るよりも文章を見る方が 好きだという人も一定数存在するので、ブログでの発信は非常に有効だと考えています。

昨今は動画媒体の影響で「ブログはオワコン」 と言われたり、いやいやそうではないという意見もあったり議論を呼びやすいテーマでもありますが、僕自身はブログを長く書き続けていて、 そこから仕事が増えていくケースも多々ありましたし、 未だに収入源の一つになっています

文章で人を魅了できる人は、例外なく動画や対面で話をするとより相手を魅了することができます。人の心に響きにくい文章だからこそ、文章で伝えるスキルを磨くことによって、対面での伝えるスキルにも相乗効果が生まれると感じます。

↑これは、塩谷舞さんという方の記事ですが、それはそれはとても魅力的な文章を書かれる方で、最近僕はすっかり彼女のファンになってしまいました。

この動画時勢に、文章でここまで人を魅了することができるなら、ブログや文章の未来は暗くはないだろうと思っています。まぁ、本音をいうとブログなどの文章媒体でも仕組みを作ることで収益化はできるので、ブログはオワコンなのではなく、そう思ってる人がオワコンということですね。

今回のようなノートを文字媒体で提供してみなさんからお金を頂けているのも、ある意味ブログを何年間も取り組んだからだと思っているので、ぜひブログに取り組んでみてください。

④人前で話す仕事(セミナー講師など)

人前で講演をしたり、 セミナーで講師を務めたり、 学会で座長を務めるなど、比較的大人数の前で話す経験をすることは、スポーツ現場に必要なスキルを磨く上でかなりの相乗効果が見込めます。

具体的には、人前で話すことで「 public Speaking」というスキルが身に付きます。

これは平たく言うと、 「あるテーマについて準備せずにいくらでも話し続けることができるスキル」で、さらに言うと聞き手のモチベーションを高めたり、心に響き行動に移してもらえるような話し方をするスキルでもあります。

パブリックスピーキングの詳細と、スキルを伸ばすトレーニングは、↑の動画でも詳しく解説してますので、よければ見てください。

色々と方法論はあるのですが、他のスキルと同様パブリックスピーキングも、人前で話すことを経験しなければ上手くはなりません。 そういった意味で、セミナー講師などはスポーツの仕事に直結するスキルと言えるので、セミナー講師まで大げさでなくても、人前で話すチャンスがあれば積極的にやってみるといいでしょう。

■やるべきでない副業

 

さて、やるべき副業と一通り紹介した上で、次は「やるべきではない副業」を紹介しますね。

個人的に、これらの副業は「副業そもものとしてはやる価値はあるが、スポーツの仕事に役立つスキルとはかけ離れているもの」という位置づけです。

①アフィリエイト(GoogleアドセンスやAmazonアソシエイトなど)

ブログを書き、あるいはyoutubeで動画配信をすることそのものは、前述の通りスポーツのスキルと相乗効果が見込めるものです。

が、アフィリエイト収入(他社商品を紹介して、購入されたらバックマージンが入る)を最終のゴールとしてしまうのはオススメしないです。

アフィリエイトといえば、比較的リスクが少なくできる副業の典型ですが、それで稼ごうと思えば単価の高い案件を紹介していかなければいけません。

例えば、スポーツに関するブログ記事を書いて、トレーニング用品を紹介して売れたとしても、得られるお金なんて数百円程度なんですよね。

副業収入として成り立たせるならば、美容系だったり健康食品だったり、一時期の仮想通貨系だったりしますが、これらはこぞってスポーツ系の発信とは互換性のないジャンルになってしまいます。

(PTの中には、健康食品系のアフィリにがっつりハマってる人もいますが…なんか日々のSNS投稿とかブログを見てると、正直怪しさ満点です。闇を感じますねw)

ちなみに、アフィリエイトで収入を得る順序は、

①ある特定の悩みを浮き彫り(あるいは共感)にした記事やサイト、動画などを作る(例:ハゲてるとモテない、自信を持てない、白い目で見られてる気がする、など)

②その悩みを解決するような現実的な方法を、記事内で紹介する(例:食事、運動など)

③しかし、現実的な方法だと時間がかかり労力も必要なので、手間をかけずに効果が期待できる商品も一緒に紹介する(例:〇〇サプリメントだと、手間がかからずオススメですよ〜←ここでアフィリエイト商品を推していく)

④記事やサイトを改善・修正していき、売り上げがそれなりになってきたら、SNSやヤフーなどに広告をかけて横展開する

みたいな流れになります。

これがうまくいくと、確かにそれなりの収入にはなるのですが、これはまあ本業で取り組むレベルの話ですよね。

そして、これはもはや商品を売るというゴールから逆算して記事を作ってるので、「自分のやりたいことで稼ぐ」とは正反対の世界です(アフィリの奴隷と表現されることもしばしば)。

無論、自分自身のキャリアを積み上げることにはならないでしょう。

ですので、単純にお金を稼ぎたいだけなら、本気でアフィリに取り組むのも悪くないかもしれません。が、ことスポーツでのスキルアップと掛け合わせたいのであれば、やらないほうが無難かなと思います。

②トレードなどの短期投資系(株、FX、仮想通貨など)

これ、実はPTやトレーナーの方は、やってる方が多いんですよね。

(僕調べ、n=50くらいですがw)

特に、仮想通貨が盛り上がった時期は、僕の知っているほとんどのPTはやっていました。

で、99%の人が大損してましたw

Twitterなどを見ると、トレードでめちゃくちゃ儲かってる人の発信を見る機会があり、いわゆる「一攫千金」を求めて手を出すスポーツ系の人は多いです。

まあ、短期間で大きなお金を手に入れる可能性があるのはトレードくらいなので、それ自体は間違っていませんが、なんと言うか目先のお金に目がくらむほど、今のスポーツ、PT業界はお金に困ってる人は多いんだな…としみじみさせられます。

愚痴はこれくらいにしておきますが、短期トレードや仮想通貨などが副業として向いていない理由の一つは、「精神も時間もすり減ってしまう」からです。

FXだろうと仮想通貨だろうと、トレード中は画面に張り付いていないといけません。また、リモートでリスクを極限まで下げるやり方だと、「掛け金を大きくして、小さな利益(勝ち)を積み重ねる」手法になりがちですが、それだと一度負けただけで今までの数十回の勝ちがおじゃんになったりします

つまり、何度勝っても心が休まらないので、もはやサイドビジネスではなくなってしまうんですよね。

もう一つ、短期トレードをオススメできない理由は、「自分のビジネスを持っていない人が投資をしても、市場を読む力がないので最終的に勝てない」からです。

株や仮想通貨も含め、チャートというものは世界の経済の流れや、それに伴う人々の心理変化が巧妙に混ざり合って作られます。

それらの視野は机上の勉強ではなく、自分自身がビジネスをやることによって少しづつ養われていくものでもあります。

なので、自分がスポーツを取っ掛かりとして自分のビジネスを始めていき、スポーツを取り巻く経済の流れを色々を理解した上で、自分の経済圏と関わりの深い銘柄に投資するのであれば勝機はありますが、そうでない限りは勝ち続けることは難しいでしょう。

スポーツを頑張りたくて、お金のためにトレードをはじめて、それにのめり込みあまつさえ借金をしてしまい、身動きが取れなくなるのは、本末転倒と言わざるを得ません。

まずは自分のビジネスを育てるという方向に舵を切ったほうが賢明でしょう。

■まとめ

それぞれにメリット、デメリットはありますが、僕自身がもっとも効率が良いと思うものたちを上げてきました。

中でも、SNSや動画、ブログでの発信を通して、自社商品を提供する流れを作ることができれば、それはあらゆるビジネススキルを磨くことにもなりますし、収入源にもなるため、ぜひトライすることをオススメします。

くれぐれも、無駄な副業をしたり、借金背負ったりしないように!

そんじゃーね!