こんにちは、西川です。
みなさんお待ちかねの(!?)、PT・トレーナーのための英会話学習法についてまとめたnoteです。
英語学習といっても方法論や塾などは無数にありますが、今回は僕自身が取り組んできた内容をまとめたものになっています。
僕がやってきた方法がベストかどうかはわかりませんが、授業料など含めて合計130万を注ぎ込みつつ、1年間集中して学習した結果、海外でトレーナー活動するのにそこまで困らない程度には話せるようになりました。
今日、130万振り込んできました。
世界中どこでも仕事できるくらいの英語力を身につけるための自己投資。向こう一年は、仕事の量を減らしてでも英語中心の生活にします。
多くの海外遠征を通して、これに今、全力注ぐべきと判断しました。今まで以上に、世界地図を真上から見て仕事していきます。 pic.twitter.com/mfQpCuhI1S
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) June 26, 2018
正式に契約を締結し、6月から中国🇨🇳のテニスアカデミーでトレーナーの仕事をすることになりました。
施設は今後テニスコート50面の規模に拡大し、日本人含めた全アジア選手が行き交うトレーニング拠点として稼働する予定です。
世界のテニスの発展に尽力していきます😌 pic.twitter.com/bYMfZTybZl
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) May 7, 2019
中国でのトレーニングやリハビリは全て英語で行ってますが、とはいえネイティブ英語ではなくグローバル英語です。選手も僕自身もネイティブではないので、なるたけシンプルな言葉を使ってます。
グローバル英語は今後トレーナーには必須だろうし、勉強で習得可能ですから、ぜひトライしましょう😄 pic.twitter.com/Hm49baUCTQ
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) July 12, 2019
世の中には、スポーツトレーナーやPTという背景の方に向けた英語学習の情報が少ないので、何かしら参考になるのではと思っています。
それでは、はじめましょう。
今回のシリーズは、全体像を書いた前編(このnote)と、後日出す実践的内容を書いた後編とでセットになります。それぞれ単発購入も可能ですが、基本的には両方読んでいただくことを前提とした内容になっていますので、学習を始める目的で購入される方は都度購入より「定期マガジン」または「英会話学習セット」を購読していただいた方がお得になります。
■トレーナーやスポーツ分野のPTが英語をやるべき理由。
「10年後の理学療法士業界の変化と、個人が準備すべきこと」の記事でも書きましたが、今日本は急激な少子高齢化に加え、外国人の増加が起きています。
さらに日本人トレーナーの海外需要が増してきていることから、今後少なくても数十年は、何らかの形で外国人を相手にサービスを展開していく必要性が増していくことは、ほぼ間違いないでしょう。
また2020年には東京オリンピックがあり、この記事を読んでいる方の中にもボランティアスタッフとしてオリンピックに参加する方もいると思います。これらも含めて、言うまでもなく英会話力は必須になってくるでしょう。
オリンピックのテスト大会に来てるけど、英語は必須やね…
スタッフTシャツ着てるから声をかけられる
でも、英語話せない
来年までにリスニング力、片言でもいいから単語を繋げて話せるようにならなくちゃ https://t.co/2ftvXH7Hhq
— ぷーちん (@NoAianMan) August 17, 2019
よく「トレーナーがこれからは英語を勉強する必要がある」と発信すると、海外に出る人しか当てはまらないと言われたりします。
しかし僕は、日本の人口動態や外国人率の増加から、むしろ国内にいる場合でも英語で話す必要性は今後増え続ける。と同時に、スポーツに限らず理学療法士やトレーナーは英語でサービスを展開できる人ほど、希少性や価値が高まり、結果的に収入も増えていくことにも繋がると考えています。
トレーナーやスポーツ分野の PT が英語力を身につけることは、自己ブランディングの面でももはや必須といえます。
■どのレベルを目指すべき?
中国でのトレーニングやリハビリは全て英語で行ってますが、とはいえネイティブ英語ではなくグローバル英語です。選手も僕自身もネイティブではないので、なるたけシンプルな言葉を使ってます。
グローバル英語は今後トレーナーには必須だろうし、勉強で習得可能ですから、ぜひトライしましょう😄 pic.twitter.com/Hm49baUCTQ
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) July 12, 2019
日本のスポーツ現場では英語を話せるとスゲー!となりますし、PT業界でも一目置かれます。
一方で海外のスポーツ現場では、「英語話せる」は「車にエアコンついてる」レベルで、もれなく全員標準装備です。
スポーツ界、PT界で国際舞台で活躍したい方は甘えをなくして英語喋れるようになりましょう。
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) February 9, 2019
僕たちのようなトレーナーが英語を使う目的は、主にスポーツ現場や日常生活など身の回りになると思います。
特に、選手にトレーニングやリハビリをするときに内容を説明したり、アドバイスや意見交換をするなどが英語を勉強する目的になりますね。
英語を使う場面は
①日本国内で外国人に対してサービスを行う場合
②海外で外国人に対して英語でコミュニケーションをとり仕事をする場合
の両方が考えられます。
どちらも完璧な英語は必要ありませんが、相手の言うことが正確に聞き取れて、自分の話したいことを正確に話すレベルの英語力は必要になります。
なので、トレーナーの私たちが目指す英語は、このレベルが目安になります。
英語を話すと考えた場合、多くの方はハードルをあげてしまいがちです。
特にネイティブのレベルを目指す、ネイティブレベルの会話ができなければいけない、いわゆる英語がペラペラにならなければいけない。そう考えがちですが、実際はそんなことはありません。
なぜなら、世界中で英語を話す約20億人の中で、ネイティブではない英語を話す人たちが85%と言われているからです。
あなたがこれから英語を話す場面は、アメリカやイギリスに拠点を置いて生活するのでないならば、圧倒的に非ネイティブと話す機会の方が多いはずです。
実際、ネイティブと非ネイティブでは、使う単語も話す速さも全く違います。
今この記事を読んでいる多くの方は、英語学習をこれから始める人だと思いますが、その場合、現時点ではあなたが話をする人達よりも自分の英語力のほうが劣っているケースが多いはずです。
しかし、これからスポーツの場面で英語を使っていく、またはあなたが英語を勉強し上達するにつれ、話し相手の方があなたよりも英語力が低くなるケースが増えてきます。
もちろんこうしたケースは相手が非ネイティブであることがほとんどですが、こうした場合、あなたはネイティブが使っている難しい単語や複雑な文章を話す必要はありません。むしろできるだけ簡単な単語でできるだけわかりやすい文章を使って話すスキルが求められます。
↑中国でも、選手のほとんどは英語力が僕と同じか僕より低いです。それでも彼らは、自分の英語の勉強の為に、分からないなりに「英語でレッスンしてほしい」と言って来ます。
ですから完璧な英語を話そうと思ったり、ペラペラになろうとは思わなくていいです。その代わり、相手の話すことを正確に聞き取り、自分もわかりやすい言葉で正確に話せるようにしっかりと訓練をしましょう。
■学習期間はどのくらい必要?
学習期間が1年とか2年というようなくくりで考えるのはやめた方がよく、英語に触れた合計時間数で考える方がいいでしょう。
具体的には、合計で1000時間の学習が必要とされています 。
僕が通っていた英会話塾をネタバレすると、トライズというプログラムなのですが、このプログラムは1年間かけて1000時間学習することで英語を話せるようにするというものです。
↑ホームページを見ていただければわかると思いますが、 トライズはかなり高額です。その分、専門のコンサルタントがついたり、決めたスケジュール通りにオンラインレッスンや対面レッスンがあったりするので、半分強制的に学習する環境が与えられます。 英語版のライザップのようなものです。
で、なぜ英語学習の目安が1000時間かと言うと、トライズの資料から抜粋すると、日本人が英語をマスターするのに必要な合計時間は2000時間と言われており、そのうち1000時間は、平均的な社会人であれば学校で勉強してきているので、残りの1000時間を集中して学習することで話せるようになる、という理屈です。
この1000時間という目安は、当然個人差はありますし、賛否両論あると思います。が、目安としてしっかりと英語と向き合う時間を作らなければ、話せるようにならないのも確かです。
逆に言えば、元々英語力が低かろうと、外国語を習得するのが苦手だろうと、しっかり3時間くらい学習をすればほぼ誰でも英語が話せるようになります。
(英語は、地球上で最も多くの人が話している言語です。あなたより勉強や語学習得が苦手な人でも、英語を話してる人は大勢います)
余談ですが、僕は中学生まで英語が最も苦手な教科の一つで、さらに高校はスポーツの特待生で進学したので全く英語を勉強しませんでした。
PTの学生時代も、医療英語として単語を覚えた程度で、英語が苦手なまま社会人となり、トレーナーとして独立しました。もちろん英語に対しては苦手意識しかありませんでした。
そんな背景があっても3時間きっちりと勉強すればある程度話せるようになったので、個人差はあれど1000時間というのはほぼ誰にでも当てはまるのではないかと思います。
(スリランカ遠征に行った時、チンピラみたいなのに英語で絡まれたのですが、その時「こんな奴らでも英語話せるんやったら、自分にできへんはずがない!!」と確信しました笑)
話を戻すと、合計1000時間がひとつの目安になるのですが、1000時間の学習を、どのくらいの期間でやるのがいいのでしょうか。
個人的には1年が目安かと思っています。
一年で1000時間勉強しようとすると、1日あたりおよそ3時間です。実際に1年間やりきった経験者の意見としては、これは相当ハードです。
正直やっていてあまり楽しくはありませんでしたし、上達することに対して達成感はありますが、仕事が非常に忙しい中で毎日3時間の学習時間を確保するのは大変だったという印象の方が強く残っています。
しかし、それでも一年間で集中してやったほうがいいと僕は思っています。
というのも、忙しい日々の中で学習時間を確保するのは1時間でも2時間でも3時間でも、大変なのには変わりありません。それに、ゆっくりとしたペースで学習するほど上達のペースは遅くなります。
仮に2年で学習をするとすれば、一年で500時間、1日に換算すると約1.5時間になります。
正直1年間の学習でも上達速度には村があるので、2年間学習するとなると上達を感じられる場面は非常に限られるでしょう。そんな中で毎日1.5時間の学習をし続けるモチベーションを保つのはとてもエネルギーがいることです。
それに、学習時間は電車や車での移動の間、ジョギングや筋トレなどエクササイズをしている時間など、スキマ時間を使うことも可能です。
総合的に考えると、1年間で1000時間というのは、本当に大変であると同時に、やる!と決めた人にとっては、英語学習に最も適したスパンではないかと僕は考えています。
■英語学習をする上で必須のマインド
さて、1年間で英語をそれなりのレベルまで上げようと思えば、マインドセットは非常に重要になります。
具体的に僕が意識したことは、ただ一つ。
何があっても、スケジュールを守ることです。
改めてスケジュール画像を載せていますが、もしこの通り学習を進めようと思うと、夜はほぼ遊びに行ったりできません。
また、レッスンがある朝は何があっても早く起きなければいけません。
実際に、僕が英語学習を集中してやっていた頃は、ほぼ夜に飲みに行ったり遊びに行くことはありませんでしたし、車や電車での移動中は自分が聴きたい音楽や観たい映画があってもそれを我慢して英語の教材を流していました。できる限りのスケジュールと労力は英語を優先させ、時間を作り出したということです。
これは学習開始当初は守ることが本当に大変ですが、3ヶ月死に物狂いで続けると、この生活リズムが習慣化します。習慣化してくるとそれほどストレスなく続けることができるので、それまでは何があっても建てたスケジュールを守りましょう。
あとは、学習が後半に入れば入るほど、基本的な教材だけでなく、 後編で紹介する自分が好きで興味のある分野(私たちの場合はスポーツやトレーナーに関わること)の動画や本を見ることをお勧めします。
日本語でもそうですが、英語でもその分野でしか使わない言い回しがあり、動画や雑誌などを見ることによって、それらのボキャブラリを自然と身につけることができます。
逆に学習を始めて数ヶ月経つまでは、基本的なテキストや教材の内容を愚直にやり続けましょう。
次の項で詳しく解説しますが、学習開始当初は全くと言っていいほど「音の辞書」が備わっていません。
知っているはずの単語なのに聞いても聞き取れない。話しても伝わらない。
これが多くの方にとってはじめにぶつかる壁ですが、これをクリアするには、英単語や文章ひとつひとつを、文字としてではなく音として覚えることです。
これは、それぞれのテキストや教材をしっかりやり込むことで、音の辞書が増えていき、聞き取れる(話して伝わる)ようになります。
正直言って内容的に楽しくないと思う方が大多数だと思いますが、これがあなたの英語の土台となる部分なので、楽しくなくてもやりましょう。
■学習の大まかな流れ
・全体像
では、全体的な学習の流れを説明します。
繰り返しますが、目指すレベルはとりあえず中学英語レベルで十分です。
しかし、ほとんどの日本人は「中学レベルの英語を使いこなして会話する」ということができないのが事実です。
なぜなら、中学校で英語を習ったとき(塾などで習った方も同様)は、
・日本語を英語に訳して書く
・英語を日本語に訳して書く
・リスニングした内容をベースに問題を解く
しかやってきていないからです。
上記の学習で身につくのは、
①日本語⇄英語を、時間をかけてゆっくりと読み、訳し、書く(リーディング、ライティング)
②英語を聞いて、それを頭の中で日本語に変換する(リスニング)
なのですが、実際の英会話は、
相手が話した英語を、瞬時に自分の頭で理解し、それに対して自分の話したい日本語を思い浮かべ、それを瞬時に英語に変換して、伝わるレベル以上の発音で話さなければいけないわけです。
つまり、リスニング能力だけでなく、日本語⇄英語の変換を瞬時に鍛え、さらにそれを実際の発音で話すというスピーキング能力が求められます。
ここのトレーニングを、日本の学校教育ではほとんどやってきていないので、多くの方は「時間をかけたら読めるけど、話せない」「聞くことはできるけど、話すことができない」となるのです。
英会話学習のはじめ方マップ pic.twitter.com/B9CZSplQ4S
— 西川 匠 Takumi Nishikawa (@physio_tennis) September 7, 2019
英語力に関する現在地は、↑の図を見ていただけるとわかりやすいかと思います。
・詳細
「リスニング能力」と「スピーキング能力」「会話力」の3つに分けて、同時進行で学習していきます。
【スピーキング】
1.中学レベルの英単語と文法を理解する
2中学レベルの英単語と文法を、時間がかかっても読み書きできるようにする
3.中学1年レベルを、瞬時に日本語→英語に変換し話せるようにする
4.中学2年レベルを、瞬時に日本語→英語に変換し話せるようにする
5.中学3年レベルを、瞬時に日本語→英語に変換し話せるようにする
6.中学レベル(ランダム)の英語を、自由かつ瞬時に日本語→英語に変換し話せるようにする
つまり、中学レベルの英語で話すトレーニングをひたすらするわけです。いたってシンプルですが、これが効果抜群です。
僕の場合、恥ずかしながら①の「中学レベルの文法を理解する」レベルすら、クリアできていませんでした。
なので、はじめの2ヶ月弱は、中学英語の文法や文章構成をじっくり学び直すところから始まりました(上記1と2)。
その後、3~5に約8ヶ月ほどかけてトレーニングし、ほぼ中学レベルの英文法なら、4〜5秒以内には思い浮かべて話すことができるようになってきました。
そして最後の2ヶ月ほどは、ランダムにいろんな英語を話すトレーニングをして、瞬発力を高めていきました。
【リスニング】
1.中学レベルの短文を、シャドーイングする
2.中学レベルの長文を、シャドーイングする
3.ネイティブが話す短文をシャドーイングする。と同時に、わからない単語を調べ、覚える
4.ネイティブが話す長文をシャドーイングする。と同時に、わからない単語を調べ、覚える
5.スポーツの現場で使う表現を、シャドーイングする。
これも言葉にするとシンプルですが、これをやり続ける必要があります。
ちなみにシャドーイングというのは、英文をCDなんかで流して、数秒遅れで音声の言ってることを口に出すことです。
正確に文章を聞き取る(リスニング)+意味をイメージしながら話すという難易度の高い方法ですが、非常に学習の効率が良いです。
僕の場合だと、1や2は数ヶ月程度、3を半年〜8ヶ月くらい、4を最後の2ヶ月間、5は年間通して継続、という比率でやりました。
【会話力】
・週に1.5~2時間(1年で1000時間達成する場合)以上、ネイティブと会話する
まあ、会話力は実際に会話するしかないので、会話しましょう笑
僕の場合は、ネイティブ講師とマンツーマン(あるいはグループ)で週3回レッスンがありました。合計時間は週に2時間ほどです。
DMM英会話などが安価にでき、講師も選べるのでいいでしょう。ただ、どんなに忙しくてもこの量や頻度は確保する、というのが一番難しいところです。
全体的なスケジュールは、以下の通りです↓
リスニング、スピーキング、そしてレッスン(会話)を、ざっとこんな感じでスケジュール表として作らされ…じゃなかった。自分の意思で作成して、実践しましょう。
このスケジュールだと週に20時間で、日曜日は休みという予定だったのですが、現実は仕事が忙しいなどで平日の勉強時間が確保できないことも多く、そのぶんを日曜日に補充する、という感じだったので、基本休まず毎日1年間、何かしらの勉強はしていました。
では、英語学習の前半は、ここまでにします。
後半は実践編として、各項目を一つづつ深掘りしていきますね!