イスラム教には「ラマダン」という風習がある。

一ヶ月間、断食をはじめあらゆる禁欲をする期間のことをそう呼ぶ。

水はもちろん、喫煙やスポーツ活動なんかも日の出から日の入りまでの間は一切ガマンするというもので、僕だったら絶対耐えられない(タバコは吸わんけど)文化。

 

今回の海外遠征で、とある国の出身選手・コーチと会って話をした。

その国はイスラム教で、ラマダンがある。この期間は日中には全く練習ができない。もちろんトレーニングも。これが年間で4ヶ月ほど続くという。

さらにその国は、昔からのカースト制度がまだ残っていて、貴族に生まれたら一生貴族、ものもらいに生まれたら一生ものもらいとして生きて行くしかないらしい。

今回あったコーチはジュニア時代、その国で選手を目指して日々練習し国の代表選手になったんだとか。

 

決して階級の高い生まれではなかったそうで、練習場所はおろかラケットもボールもない、試合に出るお金もない、ラマダンで練習もトレーニングも満足にできない。そんな環境で選手を目指すといったら、周りからはどんな批判があったかは簡単に想像できる。

それでも彼は選手を目指しチャンスを掴み、自国から飛び出した。

そうまでしてテニスに打ち込んだのは、もちろんテニスが好きで情熱があったけど、何より「このまま自国に居ては未来はない。人生を変えるにはスポーツで自国を抜け出して、世界で活躍するしかない」という強い想いがあったという。

 

またこの国は、国が発行する貨幣の価値が低い。つまり海外を転戦するには、とんでもない金持ちをのぞいて自国で蓄えた貯金でまかなうなんて不可能に近い。

そうした現状を、たぶん中学生高校生の頃から理解してたんだろう。

 

自国にいては未来はない。早く抜け出して世界に出なければ。

 

僕が出会ったのはたまたまテニスでそれができた人たちだったけど、他のスポーツや勉強を手段にしている人もいるだろう。

いずれにしても、こういう感覚は日本ではほとんど感じないはず。

 

日本は平和でいい国。それは海外遠征に行くたびに思う。

そして平和でいい国だからこそ、自由にやりたいことができるチャンスがあるにも関わらず、自分の中でなにかのハードルを作ってしまってそこから抜け出せない、思うように生きれないしんどさがある。

つまり、自分の中にある壁と戦ってるイメージ。

 

対して今回のストーリーで出て来た選手やコーチたちは、宗教や法律、国そのものに物理的な高いハードルがあって、なんとかそこを抜け出そうと戦っている。

当然、そんなものと戦って抜け出すなんて並大抵の努力じゃできない。

血反吐はく思いも何度もしただろうし、うまくチャンスを得るためには頭もよくなくてはいけない。

 

海外遠征に行くと、そんな選手たちがいっぱいいる。世界中から選手たちが集まってくるから。

彼ら彼女らと話をすると、あらゆる能力を身につけて世界に打って出ようとする、タフさというか人間的な強さを見せつけられる。

 

ちなみに余談で、海外遠征の道中ではよく日本人とも出会う。

現地で住んでる人もいるし、違った経緯で世界に飛び出して来た人もいる。背景は色々。

けどみんな、人間的な強さを同じく持っているように感じる。

 

繰り返すけど、日本はいい国だし僕は嫌いじゃない。

けど自分の中にハードルを作ってチャレンジしない、そんな人がとても多いとも感じる。

こんなに自由でチャンスが開かれてる国なのに。

 

だからもし、日本にいて自分のハードルに縛られてるなと感じるならば、なんでもいいから海外に行って現地の人、外から来た人いろんな人と話をするといい。

海外に行くことが大切じゃない。現地にいる人と繋がることが大切。

なぜなら、話すことで彼ら彼女らの人間的な強さを垣間見ることができるから。きっとそれは、自分の何かを変えるきっかけになるから。

 

間違いなく、自分の価値観はぶっ壊されると思う。いい意味で。

きっと、きっと、自分もっと強く生きていこうと思えるはず。

 

ホテルでフランスパン食いながらそんな想いに浸り、今日も海外遠征を過ごしています。

from シンガポールのホテルより。

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